仏像のブログを書き始めたのは、2005年の年末でした。最初の投稿はこんな感じ。10年以上が過ぎてもこの気持ちに変わりありません。ますます仏像に魅了されています。上記のブログは「ココログ」で書いていたのですが、投稿に無駄な手間暇がかかるのが悩みで…
京都国立博物館1F-1展示室 彫刻「如来と菩薩」 2024年6月18日(火)~ 9月8日(日)京都国立博物館新館の1階、最初のお部屋に平安時代を中心とした古像が並ぶ。展示解説をメモしながら拝観すると、あっという間に1時間が過ぎた。本稿は、そのメモを文字お越…
千葉県某所 薬師如来立像(鎌倉時代) 1) 見知らぬ薬師如来像との出会い! 2) 天台薬師様 or 清凉寺式釈迦様 or 一日造立仏? 3) もともと安置されていたお堂に泣く! 4) やはりこれは運命の出会い? 1) 見知らぬ薬師如来像との出会い! 事前に写真を拝見せ…
鉄造仏頭(千葉県いすみ市) 高さ113cm 鎌倉時代 県指定 山田大門区の大日堂にまつられる鉄仏さまである。市の文化財課から管理者の方にご連絡いただき、間近で拝観させていただいた。 これほど美しく、大きなご尊顔にここまで近づけるとは。大きさに圧倒さ…
硯山長福寺(千葉県いすみ市) 硯山長福寺の来歴 ご本尊阿弥陀三尊 薬師如来坐像 不動明王立像と毘沙門天立像 金剛力士像 磨崖仏 【拝観案内】 硯山長福寺(千葉県いすみ市) 天台宗の南総地区の仏像調査がとんでもなく本格的である。調査結果が『南総天台の…
平安の作だとどこかに書いてあったが、写真を拝見する機会がなく、半信半疑で出かけたところ、目の間に見事な平安仏が現れ、びっくり仰天。興奮しつつ、うっとりと薬師さまを仰ぎ見たのだった。
平安末期の如来立像が好きだ。丸顔で、全身の力を抜き、穏やかに立つ御姿に惹かれる。そんな尊像に茨城県で出会ってしまった。場所は水戸市の吉沼観音堂。本尊千手観音立像の横に、ひっそりとまつられていた。
襖が開くとこの仏像群 尊い小さな公民館の一室に大きな押入れがあり、大きな鍵がかけられていた。管理者の方が「おいしょっ」と鍵を開け、襖を開けくださった。多くの石仏や木彫仏が目の前に。わぁ。なんだかほんわか。この感動は何なのだろう。仏像群の来歴…
白洲正子が著書『十一面観音巡礼』で絶賛した智識寺の十一面観音菩薩立像は、霊木感あふれ、私は言葉を失いました。他に比べるべきもののない、one and onlyな観音像だと私は思っています。その智識寺さまがお寺の管理維持に苦心されており、クラウドファン…
父親の闘病平癒を願う聖徳太子16歳のお姿で、孝養像と呼ばれるもの。太子像は厳しい眼差しで理知的な印象のもが多いが、この像は眼差しが穏やか。美豆良が初々しく、ふっくらした頬などから子どもらしささえ感じてしまう。病の父親を案じるお心が伝わってく…
青龍山勝國寺(東京都世田谷区/真言宗豊山派) 薬師如来及び両脇侍立像 勝國寺薬師三尊 ご開帳は1月の初薬師! 【参考文献】 【写真】 【拝観案内】 勝國寺薬師三尊 勝國寺薬師堂にまつられる秘仏薬師三尊を拝観。勝國寺は室町から桃山時代に世田谷を治めた…
はらぺこヒヨドリ感謝状2023 ~感動をありがとう~今年ももうすぐ終わる。たくさん仏像にお会いし、たくさんときめいて、たくさん感動した一年だった。 尊敬するみうらじゅんさんのみうらじゅん賞にならって、一年を振り返ろうと思う。 ただ、どの出会いも素…
日本の仏像の世界は奥深くて、令和の世になってなお、平安時代のお像の「新発見!」という事態が発生する。平安仏さまは長い年月をただ過ごしてこられただけなのに、「新発見!」とは物騒な物言いではある。というわけで、青雲寺(埼玉県)の説法印の阿弥陀…
昌善寺(浄土宗/東近江市南菩提寺町) 何度か書いたかもしれないが、滋賀県の丈六阿弥陀仏にお会いしにいくという活動を細々と続けている。今回は東近江市の昌善寺をお参りした。昨年投稿した東近江市横溝町の善明寺のすぐ近くである。その距離はわずか500m…
浜松市美の仏像展は一昨年に続き2回目。二番煎じかなぁなんてちょっと思ってた自分を叱りつける。遠州と東三河の仏像はとんでもなく奥深いと知る。露出展示も多く、木彫仏の呼吸に耳を傾けた。
瓦屋禅寺(臨済宗妙心寺派/東近江市) 50年ぶりご本尊千手観音立像のご開帳今年最も楽しみにしていた瓦屋禅寺のご開帳に伺った。瓦屋寺は聖徳太子が創建に関わる古刹。物部氏に勝利した聖徳太子が四天王寺を建立する際、この地の土で瓦を焼き、摂津まで運ばせ…
萬年山勝林寺(東京都豊島区)のご本尊釈迦如来さまが好きすぎて、最初に調査された清水真澄先生の論文(『豊島区仏像彫刻調査報告書 豊島区の仏像』(2000年)掲載)を時々読み返す。この論文のなかで、この像と同様に足を衣ですっぽり包む一例として、京都…
神奈川県西部、足柄地域は古い仏像の宝庫。10/7初日朝、オープンと同時に入館するも、個性的な仏像が多く、クラクラしてしまった。いわゆる、仏像酔いである。
訃報を聞く。悲しい。 今年3月、仏像オフ会で、一緒にお昼をいただいたのが最後になってしまった。参加者大勢で貸切った食堂は狭く、窓の向こうは雨で煙っていた。メニューはみんな同じで、大きなアジフライ。そんなざわざわした状況の中でも、彼女の佇まい…
1) 薬仙寺(兵庫県神戸市) 薬師如来坐像 十一面観音菩薩立像 2) 元祖教会(兵庫県神戸市) 【参考資料】 1) 薬仙寺(兵庫県神戸市) 浄土門時宗の薬仙寺で毎年8月8日と9日に十一面観音像がご開帳されると伺い、お参りした。四万六千日と呼ばれる観音様のお…
※4年ぶりのご開帳を祝し、2010年当時の拙ブログ投稿記事を再投稿(ただし、写真のみ差替え)※ ※2023年9月17日(日)10-15時に阿弥陀如来さま公開予定!※ 阿弥陀如来坐像(百草八幡神社) ※写真は日野市の公開チラシより訪れた日: 2010年9月19日(日) 訪れ…
近江富士と呼ばれる三上山の隣、妙光寺山。その一帯に、古代から中世にかけて、大伽藍を擁する東光寺があった。比叡山との争い(1460)、そして、戦国時代の兵火(1524)を経て廃絶となったが、その仏像が今も、宗泉寺に残る。平安と鎌倉に遡る貴重な尊像で…
行元寺と言えば、葛飾北斎の神奈川沖浪裏に影響を与えたとされる”波の伊八”の彫刻が有名。しかし、私は、行元寺の本尊阿弥陀如来立像が大好きなのだ。いすみ歴史資料館で、この阿弥陀様を間近で拝んできた。
Nothing is permanent. But life is going on with Kannon-sama.
私は祈りがなければ生きていけない、どうしようもなく弱い人間である。会場で涙がこぼれたのは、提示された諸像が彫刻として優れているからではなく、祈らざるをえないのは私だけではないことを堂々と示してくれたからではないか。
保昌寺の丈六阿弥陀如来坐像保昌寺(宮城県蔵王町平沢) 丈六阿弥陀如来坐像 総高379cm 像高288cm 県指定文化財 仏像というのは多くの人の強い思いで後世に伝えられるものなのだ。そんなことをしみじみ感じる機会をいただいた。 この阿弥陀如来様はいつの時…
永明寺(京都府福知山市)で、旧大谷寺西方院の諸像に魅了される。十一面観音菩薩立像の不思議な魅力はなんなのだろう。地蔵菩薩立像は威徳寺観音堂の尊像に類例がある、歴史的に貴重なもの。
遣迎院(京都市北区)の快慶の阿弥陀如来立像は4月8日にのみ公開される。この機会に京都市の北のほうの仏像をお参りしてきた。北山や京北と呼ばれるエリアに、京都市内とは思えない長閑な風景が広がり、次々と古仏にお会いすることとなった。
二上町観音堂(福井県福井市) 十一面観音菩薩立像ご開帳 2023.5.4-5.5 二上観音堂 福井・文殊山の登山口にある小さな観音堂で、十一面観音菩薩立像が33年ぶりに公開された。 福井市立郷土歴史博物館に寄託されているにも関わらず、秘仏のため公開されずにき…
奈良、不退寺の聖観音菩薩立像の保存修理が終わり、奈良国立博物館で特別公開されている。もともと一対として制作されたとされる菩薩立像と並びでの展示。両像を同じ場で拝観できるチャンスであるのだが…