ぶつぞうな日々 part III

大好きな仏像への思いを綴ります。知れば知るほど分からないことが増え、ますます仏像に魅了されていきます。

【展覧会】足柄の仏像@神奈川県立歴史博物館

足柄の仏像
神奈川県立歴史博物館
23/10/7-11/26

足柄の仏像展チラシのメインは朝日観音堂毘沙門天さま!
保福寺(南足柄市)十一面観音菩薩さま。世界中の苦しみを癒すような絶対的な優しさ

神奈川県西部、足柄地域は古い仏像の宝庫。10/7初日朝、オープンと同時に入館するも、個性的な仏像が多く、クラクラしてしまった。いわゆる、仏像酔いである。

こういう時はとりあえず、展覧会全体を流して観るのがよい。この時も40分ほどかけてさらっと一巡。その後いったん会場を出て、大きく深呼吸。ミュージアムショップで図録を購入し、再度会場へ。今度は図録を読みながら、仏像神像の一尊一尊をじっくり拝見する。大好きな万巻上人像や保福寺の十一面観音像に加えて、コロナ禍で個人的に拝観断念したあのお堂やあの公民館のお仏像もお出ましで、仏像大好きおばちゃんは大興奮であった。

箱根神社の万巻上人像は、側面と背面も拝見できるまたとない機会。襟を立てた平安前期のお像に興奮
箱根神社の神像と六所神社(大磯町)の神像が並ぶのも貴重
・箱根興福院で菩薩像の頭部と説明を受けた、美しいお顔のみ残る破損仏は、箱根権現常行三昧堂阿弥陀如来だった可能性がある旨の解説あり。宝冠阿弥陀如来坐像のありし日のお姿を想像し、興奮を抑えられず
・2020年秋にお堂の前まで行ってみたけど時節柄お会いできなかった朝日観音堂南足柄市)の諸像も
・お会いしたかった日影公民館の阿弥陀如来立像は、薄い側面観に引き込まれた
・中沼薬師堂のご本尊薬師如来坐像はお寺では下から仰ぎ見る感じで、脚部の平安前期感がたまらないと思っていたのだが、本展解説により、全体の作風に合わせて新造したと知ふ
・平安後期の優しい泰翁寺薬師如来立像
・世界中の痛みや苦しみを癒すに違いない保福寺十一面観音菩薩立像。コロナ禍のなか、このお姿を思い浮かべながら、マイケル・ジャクソンのHeal the World を聴いていた。私のzoomのプロフィール画像に、この観音様の微笑みを使わせていただいている。つまりは、大大大好きな観音様。図録の解説がまた盛りだくさんで興味深い。
三嶋神社の本地仏、大きな薬師如来坐像
・本誓寺からは歯吹の阿弥陀如来像と螺髪がコイルで巻いた阿弥陀如来
・松田町延命寺からは薬師如来立像と聖観音菩薩立像という不思議な組み合わせ
・桜観音堂の十一面観音菩薩立像は大きな頭部に大きな化仏が積み上げられる。首から上だけで総身長の三分の一ほどになるのでは
・箱根塔ノ沢の阿弥陀寺からは菩薩面と弾誓上人像
他にも素晴らしい仏像がたくさん…

そんなわけで、予定していた2時間を大幅にオーバー。仏像大好き勢は時間たっぷり取ってお出かけください。