ぶつぞうな日々 part III

大好きな仏像への思いを綴ります。知れば知るほど分からないことが増え、ますます仏像に魅了されていきます。

【仏像エッセー】『鎌倉殿と13人』と仏像シリーズ vol.2

『鎌倉殿と13人』と仏像シリーズ vol.2

 今年の大河ドラマの登場人物ゆかりの仏像シリーズの第2段として、東京都府中市・善明寺の鉄仏さまをご紹介したい。(どこまで連載できるのかについては、書いてる本人にも不明だが…w)

 先日訪れた府中の大国魂神社のすぐ近く、善明寺に、畠山重忠ゆかりの阿弥陀如来像2躯(重要文化財)がおられる。いずれも鉄造の阿弥陀さまの坐像と立像で、善明寺の金仏堂に安置される。
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 府中市立ふるさと府中歴史館のパネル展示によると、大きな坐像は重忠の死から48年後、その菩提心を伝えるため、僧 明蓮によって建長5 年(1253)に造立された。
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 小さな立像は、重忠と恋仲だった恋ヶ窪(現在の国分寺市)の遊女、夙妻太夫(あさづまだゆう)の死を悼んで、重忠が造立したという伝承がある。
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 この善明寺の阿弥陀如来像2躯は、毎年11月3日に東京文化財ウィークの一環として一般公開される。公開といっても堂内には入れず、お像からは距離があるので、いつか間近で拝観させていただけないかと密かに願っている。(素人の見た目では、立像は髪際がカーブしてるように見え、重忠存命時より少し後のようにも思えるので、その辺りをじっくり拝見したい…!)

 なお、11月3日には同じ府中市内で、新田義貞ゆかりの阿弥陀如来立像(重文)も公開される。
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 畠山重忠鎌倉幕府創建に、新田義貞はその崩壊に尽力したのだが、二人とも鎌倉の北の地の出身であり、現在の府中市付近を通って鎌倉に向かったのだろう。その足跡の証人が阿弥陀如来像なのだ。仏像って、本当に素敵!
(2022年1月23日記)


参考文献
○『畠山重忠辞典』(深谷市教育委員会 編、2020年、全42ページ)
http://www.city.fukaya.saitama.jp/.../1491186726389.html
○ふるさと府中歴史館の展示(添付写真2-4枚目)