ぶつぞうな日々 part III

大好きな仏像への思いを綴ります。知れば知るほど分からないことが増え、ますます仏像に魅了されていきます。

【東京】【多摩の仏像】大国魂神社(旧六所宮)本地堂の木彫仏~神仏習合の時代を伝える穏やかな尊像~

大国魂神社宝物殿(東京都府中市
木彫仏5躯
重要美術品

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写真は大国魂神社宝物殿サイトより

 上原美術館本地仏薬師如来を拝観してから、本地仏への思いが募り…。身近なところで本地仏にお会いできるところはないかなぁ…と思った瞬間、思い出したのがこちら。
 東京都府中市大国魂神社神社の宝物殿におられる、40センチに満たない小さな仏像!
 平安後期のこの穏やかな佇まい。そして、清らかさ。若かりし頃に一度拝観しているのだが、その時は良さがわからなかった。なぜか今、私の胸を熱くする。
 左から二つ目の菩薩像の足元を見ると、蓮台まで一木で彫り出していることがわかる。
 一番左の像は天部像とされているが、甲冑を着て胸元でリボンを結ぶあたり、神奈川県大磯町の六所神社男神像と似てると思った。
 大国魂神社は明治初めまで武蔵総社六所宮と呼ばれ、これらの尊像はその本地堂にまつられていた。神仏習合の時代を今に伝える尊像なのである。
 大国魂神社宝物殿は土日祝日に開館しているので、今後は頻繁にお会いしに行くことにしよう。 

【参考資料】
1) 大国魂神社宝物殿のサイト(※上記写真は本サイトより)
www.ookunitamajinja.or.jp

2) 六所神社(神奈川県大磯町)の神像について
butsuzodiary.hateblo.jp

【拝観案内】
大国魂神社宝物殿(土日祝日等に開館)
京王線府中駅およびJR府中本町駅より徒歩8分ほど