ぶつぞうな日々 part III

大好きな仏像への思いを綴ります。知れば知るほど分からないことが増え、ますます仏像に魅了されていきます。

牧野隆夫さんのクラウドファンディング(ぜひご検討ください!)

尊敬する仏像修復の牧野隆夫さんのクラウドファンディングのサイトをシェアします。


camp-fire.jp

 

地方の古仏を訪ねますと、過疎化や高齢化で仏像をお守りするのが難しくなっているという話をよく聞きます。仏像をめぐりながら、日本の未来を案じることもしばしば。

そんな中、牧野さんの手がけられた仏像にお会いしにいくと、仏像と地域の方々との関係がとても身近であたたかいことに気づきました。牧野さんは仏像を修復するだけではなく、地域の人々と仏像との関係にも心を砕かれています。牧野さんの『仏像再興』という本は、そういう事例をまとめたもので、仏像好きの人間は涙なしで読めません。

今回のファンディングの対象となるのは、伊豆の仏像修復に関する本です。ですが、この本は、伊豆だけでなく、仏像だけでなく、もっと大きな課題、つまり、地方の今後のあり方について、ヒントを示してくれると思います。

少額しかサポートできないことが申し訳ないので、駄文ではありますが、応援を呼びかけたく存じます。締切が間近です。特に、仏像ファンの皆様や地域の振興に携わる方々には、ご検討をお願いいたします。

静岡市井川の中野観音堂~山里の観音さまたち~

(2015年9月に井川の中野観音堂を参拝したときの記録です)


静岡の山里にある小さなお堂で、こんなにも無垢な観音さまたちにお会いした。

白洲正子が観音さまをたたえる言葉に「うぶ」という言葉がある。厨子が開かれた瞬間、その言葉が思い浮かんだ。夢中でお姿に見入ると、無垢な観音さまが自分の内なる汚れを浄化してくれるようだった。
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お堂は地元の方々に守られている。別当といって、先祖代々このお堂の責任者を務められている方が今回、歓待してくださった。普段はお茶農家さんをされているそうだ。生産するお茶の名は「千年千手」。麗しい名前をもつお茶の収益は文化財保護にも役立てられるとのこと。
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お経はどなたが上げられるのですかと伺うと、頼りにしていた近くのお寺さまに後継者がおられず、最近は地元の方々が集まって般若心経をお唱えするのだという。過疎化の影響だろうか。

旅人の私は、静かな山里とその地に暮らす民と仏に魅せられ、癒される。しかし、高齢化や都心一極集中が進むなか、この静かな環境を今後も守り続ける知恵は浮かんでこない。

私が訪れた数日前、福井のご住職、藤川明宏さんがこの観音堂をお参りされ、観音経をお唱えされたと伺い、胸があつくなった。

快慶の伝説が残る二つの「おいわけ」阿弥陀さま(仙台の笈分如来と京都の負別如来)


 快慶の伝説が残る二つの阿弥陀如来立像が仙台と京都に残されています。

 2016年11月の月末に仙台へ、その後、2017年4月に京都に行き、この二つの阿弥陀さまをお参りしてきました。

1)仙台に残る笈分(おいわけ)如来さま

 まずは、仙台を訪れた際、某SNSに書いた私の文章を以下に引用します。

>>>>>
 宮城県指定文化財で個人蔵の阿弥陀如来立像、通称、笈分如来さまを拝観しました。
 この像には伝説があります。 湯殿山の僧、覚明が快慶に発注し、完成した像を持ち帰ろうとしたところ、その像を気に入った快慶が追いかけてきて、返してほしいと頼んだそうです。お像を入れた箱を開けたところ、同じ像が二体現れたため、一体をこの僧侶が、もう一体は快慶が持ち帰ったのだとか。
 東北に持ち帰ったとされるのが、この阿弥陀如来立像です。
 お像を入れて運ぶ箱を笈(おい)と呼ぶことから、笈分如来と呼ばれるようになったとのことです。
 市の文化財サイトに掲載の写真を添付しますが、実物はもっともっと美しいです!
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 右側に流れる衣の模様は品がありますし、胸元で衣を折り返すところには、仏師のこだわりが感じられます。左ひじから下などは後補と考えれば、快慶伝説が残るのも納得がいきます。
 なお、快慶が持ち帰ったとされるお像は京都の蓮光寺に今も安置され、同じような伝説が伝えられているそうです。
 仙台のこの笈分如来さまは個人蔵で、拝観の受け入れが厳しいことを考えますと、誰にでもやみくもに拝観をお勧めしかねます。
 そのあたり少し複雑な気持ちでこれを書きました。
 静かにでも確かに後世に伝えたい阿弥陀さまです。 <<<<<(引用ここまで)

 拝観情報を追記します。
 仙台市のサイトから文化財課に連絡すると、持ち主の方に連絡してくださいます。持ち主の方のご都合がよければ、拝観させていただけます。
 もし拝観許可をいただけたとしても、所有者は個人の方なので、ご迷惑のかからないように、くれぐれもマナーを守ってお出かけいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします!

 堂内は狭く、暗いです。お天気がよければ、堂内に光が入って拝観しやすくなるかと思います。
 私がお参りしたときは冬でしたし、雲空でしたが、午前中だったので、光はまあまあ入ってくれました。
 こんな感じです。
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 どうしてもご尊顔が暗くなってしまいます。
 それでも、右腕の衣の下に流れるドレープの美しさに胸がときめきませんか?

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(↑高度成長期にこのような看板を作ったようです。しかし、今は個人で管理されておられます。拝観されたい場合は、くれぐれもマナーを守って、所有者の方にご迷惑にならないようにお願いします)


2) 京都・蓮光寺の負別(おいわけ)如来さま

 上記の文章をSNSに公開したところ、仏像めぐりの先輩からコメントいただきまして、それがきっかけとなり、京都に残る阿弥陀さまについて、教えていただくことができました。

 仙台で感動しましたので、どうしても京都におられる片割れの阿弥陀さまにお会いしたくなりました。

 調べてみると、蓮光寺さまは、美しい丈六阿弥陀三尊のおられる長講堂さまのまさしく隣に位置していました。長講堂さまは以前お参りしたことがありました。京都市内の便利な場所です。

 ただ、蓮光寺さまでは、基本的にお檀家さま以外による参拝を受けつけておらず、拝観のハードルは
高いようでした。以前まで郵送のみの申し込みしか受け付けてなかったという話も聞きました。

 私もメールなどでなかなか連絡がつかず、諦めかけたところにやっと電話がつながりました。熱い思いをお伝えしたところ、なんとかお参りさせていただけることになりました。仙台の阿弥陀さまをお参りしてから5か月ほどが過ぎた、2017年4月のことでした。
 
 お寺に着いて、住職から寺歴について説明を受けたあと、本堂に通していただきました。住職がお経をあげてくださり、お念仏をお唱えしたあと、ご本尊である負別如来さまの近くまで行って、お姿を拝むことができました。

 大変美しい阿弥陀さまでした!

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(写真は蓮光寺さまのホームページより)

 通常の三尺阿弥陀より少し小さめでしょうか。低めの頭部などをみると、実際には、快慶より少し後の時代かもしれません。でも、確かに安阿弥様の美しい阿弥陀さまでした!

 快慶のおいわけ伝説については、こちらのお寺のリーフレットをご覧ください。
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 ほぼ同じ伝説が仙台と京都は残っていることに私は感動します。
 実際に快慶が造ったのかどうかはわかりません。
 でも、そういう伝説が残っていることに何か大きな意味があるような気がしてなりません。

 2017年4月、奈良国立博物館で「快慶」展が始まりました。私は蓮光寺阿弥陀如来さまを拝観したその足で、奈良に向かい、快慶仏を浴びました。

 真正の快慶仏でも、伝・快慶でも、なんだかどうでもよくなります。美しいものは美しい。それに、伝説を侮るのはよくないように思います。少なくとも、伝説を信じた方が楽しいことは確かです。

3) <追記 学術論文も>

 先日、某SNSを通じて、仏像がご専門の先生より、この二つの阿弥陀如来立像について、論文が書かれていることを教えていただきました。

海野啓之「<笈分/負別如来>考―快慶伝承の一例として―」(『論集・東洋日本美術史と現場―見つめる・守る・伝える―』所収)2012年 竹林舎

私は図書館等で探しているのですが、まだ読めていません。読みたいです!

2017年の展覧会

2017年の展覧会を振り返ってみました。


1 古代出雲歴史博物館「島根の仏像―平安時代のほとけ・人・祈り―」

2 大阪市立美術館「木×仏像」展

3 奈良国立博物館「快慶」展

4 あべのハルカス美術館「奈良西大寺」展

5 奈良国立博物館源信」展

次点
兵庫県立歴史博物館「ひょうごのみほとけ」展
竹中工務店ギャラリー「ちいさいおうち」展
三井記念美術館「地獄絵ワンダーランド」
細見美術館末法-Apocalypse-」展
東京藝大美術館「素心伝心~クローン文化財 失われた刻の再生~」展
東京国立博物館「運慶」展
Bunkamura Museum 「ゴールドマンコレクション これぞ暁斉!」展
根津美術館「高麗仏画 香り立つ装飾美」展
鎌倉国内館「鎌倉の至宝-優美なる慶派のほとけ-」展

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とにかく1位の展覧会がすごすぎました。安来市清水寺観音菩薩立像の不思議な霊力に腰くだけとなり、その後もパワーあふれる仏像が並び、具合が悪くなるほどでした。

このブログでも、しつこく島根島根島根と言っておりまして、申し訳ありません。本当はもっとたくさん愛を叫びたいのです!

2位も素晴らしかった。宮古薬師さまについにお会いでき、四天王寺阿弥陀三尊にみとれてからの…あの地蔵ルーム! 木の仏像がもつ不思議な力にとことん魅了されました! 

次点が多すぎますことご容赦ください。甲乙つけられなかったのです。
特に、仏像の展示につきましては、信仰の対象である大切なほとけさまを出展くださった寺院や関係者各位にお礼申し上げます。

2017年12月の仏像拝観リスト

 ついに東大寺法華堂の執金剛神像にお会いできました! 12月16日の東大寺は、何かの魔法のように不思議な雰囲気が満ちていました。

 その日の深夜、春日大社若宮さまの遷幸の儀を見てきました。すべての電気か消された夜は思ったより明るかった。若宮さまが渡られる直前に、松明の火で道を浄めるのですが、真っ暗闇の中で見る松明の光の眩しいこと! 
 おん祭は見えない神様を信じるものなのですね。それを実感しました。
 私は、菩薩に扮して極楽浄土を信じさせようとする聖衆来迎の練供養を追っかけているので、その違いを大変興味深く思いました。

 17日は宇治市に出て、橋寺で来迎の地蔵菩薩像を拝観。さらに、平等院に行き、かつて来迎像だったという観音菩薩立像(平等院観音堂ご本尊のお前立だった像)を拝んできました。
 つまり、いつもの来迎の追っかけ活動でした! 
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(↑橋寺の地蔵菩薩立像。地獄に救いに行く地蔵様は表情が厳しいのです)
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(↑平等院観音堂の本尊)



2017年12月の拝観リストは次のとおりです。

12月7日
九品仏浄真寺(閻魔堂建て替え工事中の紅葉)

12月8日
仏像クラスタ忘年会

12月9日
五百羅漢寺「らかん仏教講座・近代彫刻としての仏像」 
講師=藤井明(東京小平市平櫛田中美術館、学芸員) 

12月16日
○奈良・東大寺
良弁忌
南大門、俊乗堂(ご開帳!)、行基堂、念仏堂、開山堂(良弁坐像!)、法華堂(執金剛神ご開帳!)、不動堂、四月堂、東大寺ミュージアム(法華堂に前までいらした吉祥天、弁財天など!)、戒壇

奈良国立博物館
「おん祭と春日信仰の美術」
なら仏像館(室生寺弥勒堂の釈迦如来さまと弥勒菩薩立像さま!)

○アミーゴクラブの会

12月17日
春日大社・おん祭
若宮さまの遷幸の儀

京都府宇治市

○放生院橋寺
地蔵菩薩立像(見事な来迎の地蔵さま)
不動明王立像(平安)
阿弥陀如来坐像
釈迦如来坐像(清涼寺式なのに坐像)

平等院
ミュージアム
 観音堂の本尊、そのお前立観音(かつて来迎像で、しかも、水を何度も浴びた形跡がある像)、平安の地蔵菩薩立像など
鳳凰堂 ああ阿弥陀如来さま!

細見美術館末法 / Apocalypse─失われた夢石庵コレクションを求めて─」展

12月18日
新国立美術館安藤忠雄」展(たしか仏像はなかった…)

12月28日
東京都
高幡不動尊(終い不動)

東大寺法華堂のご開帳に泣く!

 2017年12月16日。ついに東大寺法華堂(三月堂)の執金剛神像にお会いできました! 
 東大寺は感動があふれています!

執金剛神様に泣く!

 法華堂はこれまでに何度かお参りしています。ダーリンとの思い出の場所でもあります。でも、12月16日にしか開かない執金剛神さまには、何年も、いえ、何十年もお会いできないままでした。

 実際にお会いすると、写真で拝見していた以上に迫力と気品あるお姿でした。

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(写真は小学館『週刊古寺をゆく 東大寺』2001年より)

 積年の思いとあいまって、こみ上げるものをこらえることができませんでした!

 泣きました!

 私はリアルに泣きました!!

 これはまさしく塑像の最高傑作。塑像は脆弱ですから、展覧会に出すのは難しいはず。ここ法華堂でしか、年に一度しか、お会いできないのです。

 泣き止んだあとは、堂内を何周もして、執金剛神さまにお会いしました。
 像高173 センチ。振り上げた金剛杵を今まさに振り下ろそうとする瞬間のお姿。それが1200年以上もの時を経て目の前にありました。

天平仏群を斜め後ろから拝める幸せ!

 法華堂内に行かれたことがある方はご存じかと思いますが、堂内には、不空羂索観音様たちが南面して立っておられます。天平仏が立ち並ぶさまは言葉にできない荘厳さがあります。
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(写真は小学館『週刊古寺をゆく 東大寺』2001年より)

 執金剛神像は不空羂索観音様の後ろ側のお厨子に北面しておられます。

 北面する執金剛神さまにお会いするには、不空羂索観音様の向かって右側の通路を通り、その後ろ側に回り込みます。帰りは不空羂索観音様の向かって左側の通路を通ります。

 仏友ソゾタケ氏がわかりやすい図を描いてくださっています。その図をお借りしました。
http://butszo.jp/wp-content/uploads/2013/12/%E6%B3%95%E8%8F%AF%E5%A0%82%E8%89%AF%E5%BC%81%E5%BF%8C%E8%A6%8B%E5%8F%96%E3%82%8A%E5%9B%B3.jpg
butszo.jp
(↑出典=ソゾタケ氏のブログ「祗是未在」より)


 つまり、執金剛神様のご開帳の日には、不空羂索観音様の両脇から、天平仏の一群を拝むことができるのです!
 この両脇の通路には、畳敷きの台が置かれており、そこに座って、天平仏を斜め後ろからも真横からも、思う存分拝むことができるのです!!
 執金剛神様のご開帳の日だけのもう一つの特別拝観と呼べるのではないでしょうか! 畳敷きの台は、参拝者への最高の贈り物です!!

天平仏と慶派を結ぶDNA!

 天平仏が好きです。私の住む都内では平安仏は拝めても天平仏となるとほとんど拝めません。法華堂に林立する天平仏のみずみずしさにふれると、幸せな気持ちに満たされます。

 同時に、運慶など慶派の人たちは、天平仏に学び、天平仏に見習ったのだということを実感するのです。 

 奈良の仏師らしく、平安時代ではなく、奈良時代の仏像に学んだのだと思います。温故知新。仏師のDNAがこのように伝えられる歴史の不思議に私は心が震えるのです。
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(↑快慶による京都府・金剛院の執金剛神像! 法華堂の像をいきいきと真似してますよね! 写真は奈良博「快慶」展図録より)

東大寺が好き!

 12月16日は良弁(ろんべん)忌なのだそうです。良弁さまは、東大寺の前身寺院である金鐘寺に住し、東大寺の創建に尽力されました。良弁忌の日に開山堂が開けられ、平安前期の良弁様のお像を拝むことができます。
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(写真は小学館『週刊古寺をゆく 東大寺』2001年より。お会いしたときは如意棒が水平になってました。この写真は少し古いのかも)

 そして、東大寺では毎年この日、修二会に参籠する僧侶が発表されるそうです。
 年末の凛とした空気の中、修二会の準備が始まることに感動します。修二会が終わると春です。
 季節ごとに毎年祈りが伝えられているのです。

 私は修二会のときにお参りしたことはないのですが、8月の大仏様のお見拭いとお盆の夜間拝観を去年の夏から2年越しでお参りしてきました。お盆の夜間拝観で、大仏様の周りを参拝者全員が回りながら、般若心経をお唱えしたことは忘れられません。季節ごとの祈りが美しく、万民に優しいと私は感じます。
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(↑2017年8月の夜間拝観の様子)

 東大寺の大仏様も、念仏堂などの小さなお堂の仏様も、大好きです。東大寺の季節ごとの祈りが素晴らしいと感じます。

 「生きとし生けるものすべての安泰」を願った聖武天皇の思いが、平成の今まで引き継がれているように感じます。

 東大寺を尊敬します。




【拝観情報】

12月16日
法華堂 法要後9時半~16時(執金剛神像)
開山堂 法要後10時過ぎ~16時(良弁僧正坐像)
俊乗堂 9~16時(俊乗上人坐像、快慶・阿弥陀如来立像、平安後期の愛染明王坐像)
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おまけ情報(蛇足!)

ここから先は完全なるおまけ情報です!

以下、東大寺の公式サイトより
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【おまけ=大好きな東大寺の風景】
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(↑手向山神宮への参道。木の根がぐるぐる…)
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(↑鹿さん。夏とは毛並みが違いますね)
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(↑開山堂の前)
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(↑開山堂の中に松明の残りが…)
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(↑行基堂の内部。こういう東大寺の小さいお堂が大好き)
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(↑戒壇堂もお参り! 幸せ!!)

以上

2017年11月の仏像拝観リスト

 11月はとにかくたくさんの仏像さまにお会いしすぎてしまい、その感動のすべてを表すことができずにいます。
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(↑兵庫県赤穂市の普門寺)
 まず、たった1枚の出展リスト(「島根の仏像」展)が素晴らしすぎて、姫路のオフ会の前日にぶつけて急きょ出雲まで行きました。これが平安仏のパワーに満ちあふれていて、とにかくすごすぎました。会場に4時間滞在したあと、出雲市内の大寺薬師(万福寺)へ。出展されなかった菩薩立像4躯の素晴らしさと管理人の優しさはきっといつまでも忘れられないでしょう。たった1日の滞在にしては濃すぎる旅でした。
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(↑出雲市の大寺薬師)
 その翌日からの仏像リンクさんの播州仏ツアーは、仏像のチョイスがすごすぎました。阿弥陀さまの追っかけで兵庫は何度か訪れていますが、それでも斑鳩寺以外はすべて、初めてお参りするお寺でした。播州清水寺のご開帳と楊柳寺の秘仏は特に心に残っています。
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(↑姫路の龍門寺)
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(↑書写山の奥院、弥勒寺)
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(↑姫路の蓮華寺
 さらに、23日の祝日に、愛知の蒲郡から静岡の浜松まで、仏友さんに連れて行っていただきました。海沿いの歴史のある地域に、見事な古仏が残されていました。
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(↑御堂山観音堂)
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(↑三河国分寺)
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(↑赤岩寺)
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(↑摩訶耶寺)
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(↑摩訶耶寺)



前置きが長くなりましたが、以下が拝観リストです。

11月3日
島根県出雲市
出雲大社
○古代出雲歴史博物館「島根の仏像ー平安時代のほとけ・人・祈りー」
○大寺薬師(万福寺)
四菩薩立像ほか

11月4日
仏像リンク
兵庫県

赤穂市・普門寺(天台宗) 千手観音坐像
平安前期~中期か。像高104.5センチ。一木造り。

たつの市・見性寺 毘沙門天立像
平安後期。クスノキ一木造り。穏やか。旧国宝で現重文。左手と岩座が後補。

姫路市・龍門寺(妙心寺派)
県指定釈迦如来坐像(禅堂) 定朝様。体部厚い。面相厳しい。衣紋の数が多くしのぎ立つなど、鎌倉時代へ。向かう兆しをみせる。
県指定千手観音立像(寺宝館) 
県指定聖観音立像(観音堂本尊) 平安後期。肉厚だが、表現穏やか
法蔵菩薩(寺宝館)

太子町・斑鳩寺(天台宗
 収蔵庫 重文日光月光、重文十二神将8体、菩薩面
 本堂(大講堂)薬師、釈迦、如意輪観音、いずれも丈六の秘仏
 聖徳殿奥殿 植髪聖徳太子孝養像

たつの市・井上(いのかみ)観音堂 市指定 十一面観音像 秘仏 自治会管理。一木造り、103.9センチ。

たつの市・中井観音堂 十一面観音立像


11月5日

姫路市・随願寺
 重文 毘沙門天、県指定薬師如来
姫路市・弥勒寺/弥勒菩薩 秘仏

姫路市書写山奥の院、弥勒寺。
平安の弥勒三尊が美しい!
中尊弥勒仏に長保元年(999年)の銘があるそう。

お堂の裏手に大きな布袋さま。お胸の賽銭箱にコインを投げ入れます。私は一回で見事に命中!

姫路市蓮華寺
十一面観音坐像
一木造り。122.5㎝。内刳りなし。10世紀頃。

加東市播州清水寺
 根本中堂ご本尊十一面観音立像(139 センチ、市文化財)のご開帳。30年ぶり。仙道上人が平安末期にヒノキから彫りだしたと伝わる。同じお厨子の中、向かって右に毘沙門天立像(69 センチ)、左に吉祥天立像(62センチ)。吉祥天さまが童女のような清らかさ。ご開帳のお厨子の外に、白鳳の銅像菩薩立像。
 ご開帳は2017年11月1日~30日まで。

多可郡多可町 柳山楊柳寺
本堂
 秘仏本尊 木造楊柳観音立像(182.2 センチ、町指定文化財)。平安(井上正先生が7世紀後半の可能性も指摘されたとか)
 秘仏 木造十一面観音立像(甲)125.3センチ、平安、県指定
 秘仏 木造十一面観音立像(乙)116.0センチ、平安、県指定
 秘仏 木造十一面観音立像(丙)108.0センチ、平安、県指定
甲は平安前期に特有の衣の深いうねりと顔の厳しい表情を示しながらも、衣の表現の一部に形式的な面もあり、平安中期か。

奥の院
 中尊 千手観音立像(179センチ平安)
 向かって右に兜跋毘沙門天立像(150センチ、平安、県指定。地天の上に立つ)
 向かって左に木造多聞天立像(135センチ、平安、県指定)
本堂もすでに山の中腹なのに、そこからさらに山上の奥の院へ。316メートル、片道10分ほどをぜいぜい言いながら登る。奥の院の千手観音立像がとにかく感動。

三木市伽耶
 重文 毘沙門天立像 平安後期の造立当初の彩色が残る。平安中期に遡るとされる不動明王立像

神戸市・無動寺
 重文 大日如来坐像 2.7m ヒノキ一木
 重文 釈迦如来坐像 1.2 m ヒノキ一木
 重文 阿弥陀如来坐像 1.2 m 杉の一木
 重文 不動明王坐像 84cm ヒノキ寄木
 重文 十一面観音立像 1.5m ヒノキ一木
 県文化財 阿弥陀如来坐像 1.2m ヒノキ寄木
 すべて平安時代

11月11日
東京都品川区
○専長寺・阿弥陀三尊 平安後期
 山本勉先生とゼミ生にご案内いただく

11月18日
東京都上野
○上野大仏
○トーハク「運慶展」2回目
静岡瑞林寺の地蔵菩薩坐像
○トーハク「フランス人間国宝」展

11月23日
愛知県
○某寺・愛染明王坐像

蒲郡市
○御堂山観音堂
十一面観音立像
 172 .5cm 寄木 平安後期 県指定

豊川市
三河国分寺
薬師如来坐像

豊川市
○桜ヶ丘ミュージアム
阿弥陀如来坐像(財賀寺より寄託)

豊橋市
○赤岩寺
愛染明王坐像  
 重文 桧寄木 95.7cm 小さい愛染明王104躯が頭部に
勝軍地蔵菩薩愛宕権現社)

静岡県浜松市
○摩訶耶寺
千手観音立像 重文
不動明王坐像 重文
愛染明王坐像
阿弥陀如来坐像 県指定

静岡県浜松市
○岩水寺
 秘仏地蔵菩薩立像(重文 1217年 運覚 165.3センチ 桧寄木着物を着てらした)
 
11月25日
東京
○「The Best of 渡仁 1972 -2017」(高円寺)
○トーハク「運慶」展 3回目

法然上人二十五霊場を成満しました

2017. 10. 14の日記より

法然上人二十五霊場をやっと成満しました。
安堵しております!
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最後にお参りしたのが、比叡山黒谷の青龍寺でした。法然さまが18歳から43歳まで修行された聖地です。比叡山でもここまで来ると他に参拝者がおらず、ご住職としばらくお話させていただきました。
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(黒谷青龍寺のお堂の前に法然さまのお像)
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青龍寺経堂の阿弥陀三尊。翌週の台風で経堂が被害に受けたと聞き、心配しています)
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青龍寺の前の石仏)

さらに、比叡山東塔へ移動し、上人が得度された場所もお参りしました。今は、法然堂と呼ばれるお堂が立っています。このお堂に入ると、偶然にも、新米のお坊様がお経の練習をされておりました。遠方から個人的に来られたのだそうです。
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上人さま得度の場所で、新米のお坊様がお唱えされる一枚起請文を聴く…。もう奇跡の瞬間としか言えません!
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(このお坊様とご一緒にお茶をいただきました。法然堂のご住職さま、ありがとうございました)

比叡山の中でもこの2か寺は浄土宗が管理されているそうです。法然さまが過ごされた場所が今も生き続けていることに感動します。

発願から成満まで3年かかりました。法然さまの足跡をめぐる旅に大きく助けられたと思っています。智者のふるまいをせず、ただ一向に念仏すべし。上人さまのこの言葉を胸に抱いています。

2017年10月の仏像拝観リスト

2017年10月は二十五菩薩来迎会のため会津へ。
また、法然巡礼の締めくくりとして、滋賀・比叡山の黒谷青龍寺へ。法然上人二十五霊場比叡山で締めくくることができ、感動もひとしおでした。最後にとてもよいお参りができ、仏友さんやお寺さまに感謝しきれません。
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10月07日

仏都会津
勝常寺
○恵隆寺立木観音
西会津町の鳥追観音
○柳津虚空蔵

10月08日
喜多方市
○新宮熊野神社
○願成寺 二十五菩薩練供養

10月14日
滋賀県
比叡山延暦寺
○黒谷青龍寺法然霊場を成満!)
○西塔釈迦堂のご開帳、最澄霊廟
○東塔根本中堂、法然堂(法然上人得度の場所)、国宝館(仏像素晴らしすぎ)

10月15日
滋賀県
近江八幡市
長光寺・ご開帳(ご本尊千手観音立像)

滋賀県長浜市
「観音の里ふるさとまつり2017」
○竹蓮寺
○西野薬師堂
○正妙寺
○横山神社
○安念寺(いも観音)
○黒田観音寺
○西光寺
○尾山釈迦堂
○保延寺観音堂
○保延寺阿弥陀堂
○雨森観音寺
○柏原阿弥陀堂
○渡岸寺(本堂のみ)

10月31日
東京都八王子市
○龍見寺(大日如来ご開帳)

2017年9月の仏像拝観リスト

秋分の日に、巾着田曼珠沙華を見てから、聖天院と高麗神社へ。武蔵国高麗郡への日帰り旅。お散歩と歴史の勉強で、疲れきった心身を立て直しました。日本と朝鮮半島の古代史を勉強し直したい。

藝大美術館の「シルクロード特別企画展 素心伝心 クローン文化財 失われた刻の再生」展は、想像した以上に充実した展示でした。法隆寺金堂の釈迦三尊は3D技術を利用したうえ、藝大の文化財修復のスキルも導入。欠失部分を補い、壁画と合わせて、立体的に展示。現地とは異なる感動の空間がありました。
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9月15日
東京・九品仏浄真寺

9月17日
東京・びわ湖長浜KANNON HOUSE (川並地蔵堂の聖観音立像)

9月21日
東京・満願寺(一言地蔵菩薩立像、時代不明、江戸以降かな?)

9月23日
埼玉県
巾着田
○高麗郷民俗資料館
○聖天院
○高麗神社

9月30日
東京・上野
○びわ湖長浜KANNON HOUSE (南郷町 聖観音菩薩立像)
○東京藝大美術館
シルクロード特別企画展 素心伝心 クローン文化財 失われた刻の再生」
○東京藝大美術館
「台湾文化を後世に伝える―日本との違い」
東京国立博物館「運慶」展

2017年8月の仏像拝観リスト

2017年8月のハイライトは、観音さまの千日参りのご開帳で、岐阜の慈恩寺三重県桑名の勧学寺、鈴鹿の林光寺の千手観音をお参りできたこと。鈴鹿の林光寺は毎年8月9日の深夜のみのご開帳。
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翌日、滋賀県草津市まで移動し、宝光寺の薬師如来さまのご開帳へ。厨子の中に込められた霊力を放出しているように感じられ、腰が抜けました。

法然巡礼の和歌山の札所は、バスの便などにより気分的には一番遠い札所でしたが、お寺のおばあさまにお迎えいただき、ただただ感謝。

奈良の東大寺の大仏殿夜間拝観。参拝者みんなで般若心経をお唱えしながら大仏さまの周りをまわる。とにかく美しい。とにかく泣けた。


8月6日
長野県諏訪市
○仏法紹隆寺・普賢菩薩騎象像、運慶風の不動明王立像

8月9日
観音さまの千日参り
岐阜市
慈恩寺秘仏千手観音坐像(清水寺式)(平安、重文)
○岐阜大仏
三重県桑名市
○勧学寺・秘仏千手観音立像(平安、県指定)
三重県
○林光寺・秘仏千手観音立像(平安、重文)深夜のみの御開帳

8月10日
滋賀県草津市
○蓮海寺・地蔵菩薩立像(鎌倉 162センチ)
○橘観音堂・三面六臂の観音立像
○宝光寺・秘仏薬師如来立像、観音菩薩立像

8月11日
和歌山県和歌山市
報恩講寺・法然上人像、阿弥陀如来坐像(市指定)
大阪
○ハルカス美「奈良西大寺」展 

8月12日
奈良博の極楽かき氷→穀雨→大仏プリン本店(奈良充!)

8月13日
奈良国立博物館源信」展
 高雄寺の観音立像、東大寺知足院の春日地蔵菩薩
東大寺夜間拝観(大仏殿での夜間の法要が感動的)

8月14日
奈良市円成寺(運慶大日如来、本堂の平安前期の観音立像など)
奈良市薬師寺(新しい食堂を拝観)
大和郡山市・洞泉寺(阿弥陀三尊!)
奈良市・伝香寺(善円の地蔵菩薩立像)
春日大社・中元万燈籠

8月15日
○京都・知恩院・一枚起請文の写経をして勢至堂お参り 勢至菩薩坐像(重文、鎌倉)を間近で拝観

8月19日
山梨県富士河口湖町円通寺 境内お散歩のみ

大船観音寺の木造聖観音菩薩立像

 2018年1月1日。世田谷の元旦ご開帳(宇奈根・観音寺)のあと、さらに平安仏を拝もうと、鎌倉市大船観音寺へ。

 大船駅から見える巨大な白衣観音様が有名な大船観音寺ですが、平安後期の美しい木造の観音さまもおられます。
 白衣観音様のおられる場所から寺務所へ下る道の途中に、慈光堂という小さなお堂があります。このお堂のご本尊が平安後期の麗しい聖観音さまです。普段は秘仏ですが、正月三が日にはお厨子の扉が開かれると知り、出かけてきました…。

 覚悟はしていったのですが…、

 堂外からガラス越しの拝観で、お姿は正直よく見えませんでした!

 残念無念!!


 こんなに美しい観音さまなのです。いつか近くで拝ませていただきたいです。
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※写真は2016年の展覧会「禅の心とかたち 総持寺の至宝」の図録から。
 この展覧会は見にいったはずなのですが、こちらの観音さまに見覚えがないのです。見仏人失格です。お正月から反省しきりです。

 駅から見える大きくて真っ白な大船観音さま。青空に映えますねっ! 
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 帰りに鎌倉に寄り、宝戒寺へ。
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 地蔵菩薩さまと梵天帝釈天の両脇侍の前でしばらく座ってきました。
 宝戒寺は、鎌倉幕府第9代執権北条義時の霊を慰めるため、後醍醐天皇足利尊氏に命じて建立された寺です。
 ご本尊地蔵菩薩坐像が静かで厳しいお姿なのは、そのためでしょう。

世田谷区の平安仏(宇奈根・観音寺の十一面観音立像)

新年あけましておめでとうございます。
元旦にご開帳となる都内の平安仏を拝んできました。

世田谷区宇奈根の観音寺のご本尊十一面観音立像さまです。
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(写真は世田谷区のサイトより。明古堂撮影)

桧一木造り、像高95.6センチ。修復の手が多く入っているようですが、平安後期の作と考えられ、彫りが薄く穏やかです。世田谷区の文化財に指定されています。

やや遠目からの拝観でしたが、横浜の西方寺の十一面観音立像を想起させるお姿だと思いました。どちらも修復が明古堂さんなので、その影響もあるかもしれません。
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(↑世田谷区教育委員会のこの看板には「平安時代末期から鎌倉時代初期」とありますが、世田谷区のホームページには「平安後期」と記載されています…)


【お寺さま住所】
東京都世田谷区宇奈根2-24-2
小田急成城学園前田園都市線二子玉川駅などからバスあり。
※康円の不動明王八大童子像のある世田谷観音寺(世田谷区下馬)とは別のお寺です。
【拝観情報】
通常は非公開。元旦と8月1日のみご開帳。
【観音寺縁起】
観音寺の創建は永正年間(1504~21)で、開山は川越喜多院の第14世実海僧正であると伝えられています。もとは小田原にあって圓正寺と称していましたが、兵火のために延焼し、再興の際「圓正」と「延焼」の同音をきらい、寺名を観音寺に改めたといいます。また、一説には本尊が十一面観音であることから観音寺としたとも言われています。
(世田谷区文化財サイトより引用)

2017年7月仏像拝観記録

仏友さんたちと2日にわたり岐阜から静岡までただひたすら仏像を拝観しました。もうただただ楽しい! 薬王寺の圧倒的な仏像空間と正養寺の秘仏観音立像に完全に心を奪われました。玖延寺の薬師如来立像は不思議でした。
お寺さま、管理者の皆様、大変お世話になりました。企画してくださったMさん、同行してくださった皆さま、ありがとうございました! 
その後、護国寺の四万六千日や都内の展覧会へ。

7月8日

岐阜県可児市

龍泉寺 臨済宗妙心寺派 
【本堂】
阿弥陀如来坐像(市文)平安 88.6㎝ 金箔後補
十一面観音立像(市文)室町 92.5㎝
十一面観音立像(市文)江戸 119.4㎝
不動明王立像(市文) 江戸 66.6㎝
天部立像(市文) 江戸 68.4㎝

薬王寺 天台宗 
4月21日と毎月8日午前中のみ開扉
【本堂】
薬師如来坐像(県文)頭部:平安 その他:江戸 266㎝
釈迦如来坐像(市文)江戸 214.5㎝
阿弥陀如来坐像(市文)面部:平安 その他:江戸 207.5㎝
持国天立像(県文)平安 175.3㎝
増長天立像(市文)平安 171.2㎝
日光菩薩立像(市文)江戸 172.5㎝
月光菩薩立像(市文)江戸 171.6㎝
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岐阜県八百津町

○東光寺 高野山真言宗 
7年に1度の秘仏
【観音堂】
十一面観音立像(町文)平安中期 87.5㎝
【薬師堂】
薬師如来坐像(県文)平安 105㎝
十二神将像 近世

岐阜県御嵩町
○願興寺(蟹薬師) 天台宗 

本尊薬師如来坐像(重文)鎌倉初期 163㎝ (秘仏のため不可)
日光菩薩立像(重文)平安末期 197㎝
月光菩薩立像(重文)平安末期 197㎝
四天王像(重文)平安 約242㎝
十二神将像(重文)平安 約114㎝
釈迦如来・普賢・文殊菩薩坐像 (重文)釈迦如来坐像76㎝
阿弥陀如来坐像(重文)鎌倉初期 82㎝
阿弥陀如来立像(重文)平安末期 164㎝ 運慶作伝承
恵比寿立像(町文)
長岡十一面観音立像(町文)

愛知県岡崎市
○瀧山寺 天台宗

【本堂】
本尊薬師如来坐像 秘仏・・・次回は平成50年予定
日光月光菩薩(市文)
十二神将立像(市文)鎌倉
毘沙門天立像 平安後期
不動明王坐像(市文) 平安後期

東照宮

【宝物殿】
聖観音菩薩立像(重文)鎌倉初期 運慶 174.4㎝
梵天立像(重文)鎌倉初期 運慶 106.5㎝
帝釈天立像(重文)鎌倉初期 運慶 104.9㎝
菩薩面(県文)
木造狛犬(県文)
十一面観音立像(市文)48.8㎝
天台大師坐像(市文)平安後期
慈恵大師坐像(市文) 鎌倉後期
弁財天坐像(市文)
不動明王坐像(市文)
刀八毘沙門天

7月9日

愛知県豊川市

○財賀寺 高野山真言宗
【仁王門】
金剛力士立像(重文)平安 阿形381㎝ 吽形375.1㎝・・・ライトアップ拝観
【本堂】
本尊厨子(重文)本尊千手観音は秘仏 お前立像あり
宝冠阿弥陀如来坐像(県文)平安 87.5㎝
二十八部衆像(市文)

文殊堂】
五大明王像(市文) 
地蔵菩薩立像(市文)81㎝

愛知県新城市

○正養寺 曹洞宗
【本堂】
十一面観音立像(県文)平安後期 106㎝
50年に1度の秘仏:前回2008年3月(今回特別開帳)
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○林光寺 曹洞宗 愛知県新城市
アスナロ材の平安の薬師様
【収蔵庫】
阿弥陀如来坐像(重文)平安後期1171年 頼与作 130㎝:旧大脇寺本尊 目の薬師
十二神将
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愛知県新城市

熊野神社
【収蔵庫】
阿弥陀如来坐像(重文)鎌倉1244年 行慶作 88.8㎝
聖観音菩薩坐像(重文)鎌倉1250年 鏡慶作 79㎝
不動明王立像(県文)鎌倉 99㎝
懸仏 阿弥陀如来・千手観音・薬師如来3体(県文)鎌倉 円径36㎝
四天王像(市文)天平~江戸 後補あり 109㎝~134㎝
北条時頼坐像(市文)鎌倉 104㎝
白衣観音像(市文)江戸 円空仏 10.5㎝


静岡県浜松市

○玖延寺 曹洞宗
【本堂】
本尊 釈迦三尊像
阿弥陀如来坐像(市文)藤末鎌初 44.2㎝
【薬師堂】
薬師如来立像(市文)平安 130㎝(丸山仏)
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静岡県袋井市

○西楽寺 高野山真言宗
【本堂】
阿弥陀如来坐像(県文)平安末期 53.9㎝
観音・勢至菩薩坐像(県文) 脇侍 平安末期 43.4㎝ 48.1㎝
四天王像
お前立 阿弥陀如来立像
愛染明王坐像
【薬師堂】
薬師如来坐像(県文)平安後期 84㎝
日光・月光菩薩立像 平安後期
【本坊】
不動明王立像(市文)江戸1710年 129㎝
菩薩坐像・不動明王坐像など

7月10日
東京
護国寺 四万六千日

7月15日
ヴァージニア・リー・バートンのちいさいおうち展(竹中工務店

長浜観音ハウス(西浅井町聖観音立像)
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三井記念美術館「地獄絵ワンダーランド」展
(奈良の當麻寺からお出ましの閻魔・司命司録像が印象に残りました。1559年、源三郎作。水木しげるの地獄絵は迫力ありすぎ。最後の中将姫さまのお軸。来迎して極楽に帰って行く阿弥陀さまご一行のお姿が、中将姫さまの背後に、金色の線で描かれていた)

トーハク「タイの仏像」展(横浜の三会寺のタイ仏がニ尊お出まし。しばらく前に、本堂で拝ませていただいたことがあり、びっくりしたし、懐かしかった)
 
7月某日
上智大学カンボジアの仏像のレプリカ
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2017年6月の仏像拝観リスト

奈良の大和郡山で矢田寺と東明寺を拝観でき、感涙。矢田寺の地蔵縁起がたまらなく好き。東明寺の平安前期の薬師さまは力強い。

調布の仏像巡りも楽しかった。西光寺の三十三身像は鎌倉の慶派を意識しているのが胸を打つ。常楽院の来迎阿弥陀三尊は美しく、半身如来で半身が鬼のお像は泣けた。

6月7日
奈良西大寺展(三井記念美術館
 2回目。浄瑠璃寺の吉祥天さま

6月11日
奈良県大和郡山市
○矢田寺ご開帳
  平安の地蔵菩薩立像
  奈良時代の十一面観音
  宿院派の吉祥天立像
  試みの地蔵菩薩立像
  阿弥陀如来坐像
  矢田寺地蔵縁起の絵解き
  閻魔堂の諸像
○矢田寺の門前でよもぎ
○山道を歩いて東明寺へ
○東明寺のご開帳
 平安初期の薬師如来坐像
 吉祥天立像
 毘沙門天立像
○田植えしたばかりの田んぼ!
○矢田坐久志玉比古神社
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6月18日

東京都調布市

西光寺
 観音三十三身像(市指定)
 元三慈恵大師像など
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常楽院
 江戸六阿弥陀第5番 (来迎阿弥陀三尊)
 半身如来で半身鬼さんの像
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深大寺
 本堂の宝冠阿弥陀如来坐像(市指定)
 国宝釈迦如来椅像
 レプリカのあいたた観音と香薬師さま

※水野敬三郎先生の講演会を受講
 深大寺の白鳳仏は渡来人(武蔵国高麗郡の高倉福信)が関わっていたのではとの仮説を伺いました。