ぶつぞうな日々 part III

大好きな仏像への思いを綴ります。知れば知るほど分からないことが増え、ますます仏像に魅了されていきます。

2017年11月の仏像拝観リスト

 11月はとにかくたくさんの仏像さまにお会いしすぎてしまい、その感動のすべてを表すことができずにいます。
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(↑兵庫県赤穂市の普門寺)
 まず、たった1枚の出展リスト(「島根の仏像」展)が素晴らしすぎて、姫路のオフ会の前日にぶつけて急きょ出雲まで行きました。これが平安仏のパワーに満ちあふれていて、とにかくすごすぎました。会場に4時間滞在したあと、出雲市内の大寺薬師(万福寺)へ。出展されなかった菩薩立像4躯の素晴らしさと管理人の優しさはきっといつまでも忘れられないでしょう。たった1日の滞在にしては濃すぎる旅でした。
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(↑出雲市の大寺薬師)
 その翌日からの仏像リンクさんの播州仏ツアーは、仏像のチョイスがすごすぎました。阿弥陀さまの追っかけで兵庫は何度か訪れていますが、それでも斑鳩寺以外はすべて、初めてお参りするお寺でした。播州清水寺のご開帳と楊柳寺の秘仏は特に心に残っています。
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(↑姫路の龍門寺)
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(↑書写山の奥院、弥勒寺)
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(↑姫路の蓮華寺
 さらに、23日の祝日に、愛知の蒲郡から静岡の浜松まで、仏友さんに連れて行っていただきました。海沿いの歴史のある地域に、見事な古仏が残されていました。
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(↑御堂山観音堂)
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(↑三河国分寺)
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(↑赤岩寺)
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(↑摩訶耶寺)
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(↑摩訶耶寺)



前置きが長くなりましたが、以下が拝観リストです。

11月3日
島根県出雲市
出雲大社
○古代出雲歴史博物館「島根の仏像ー平安時代のほとけ・人・祈りー」
○大寺薬師(万福寺)
四菩薩立像ほか

11月4日
仏像リンク
兵庫県

赤穂市・普門寺(天台宗) 千手観音坐像
平安前期~中期か。像高104.5センチ。一木造り。

たつの市・見性寺 毘沙門天立像
平安後期。クスノキ一木造り。穏やか。旧国宝で現重文。左手と岩座が後補。

姫路市・龍門寺(妙心寺派)
県指定釈迦如来坐像(禅堂) 定朝様。体部厚い。面相厳しい。衣紋の数が多くしのぎ立つなど、鎌倉時代へ。向かう兆しをみせる。
県指定千手観音立像(寺宝館) 
県指定聖観音立像(観音堂本尊) 平安後期。肉厚だが、表現穏やか
法蔵菩薩(寺宝館)

太子町・斑鳩寺(天台宗
 収蔵庫 重文日光月光、重文十二神将8体、菩薩面
 本堂(大講堂)薬師、釈迦、如意輪観音、いずれも丈六の秘仏
 聖徳殿奥殿 植髪聖徳太子孝養像

たつの市・井上(いのかみ)観音堂 市指定 十一面観音像 秘仏 自治会管理。一木造り、103.9センチ。

たつの市・中井観音堂 十一面観音立像


11月5日

姫路市・随願寺
 重文 毘沙門天、県指定薬師如来
姫路市・弥勒寺/弥勒菩薩 秘仏

姫路市書写山奥の院、弥勒寺。
平安の弥勒三尊が美しい!
中尊弥勒仏に長保元年(999年)の銘があるそう。

お堂の裏手に大きな布袋さま。お胸の賽銭箱にコインを投げ入れます。私は一回で見事に命中!

姫路市蓮華寺
十一面観音坐像
一木造り。122.5㎝。内刳りなし。10世紀頃。

加東市播州清水寺
 根本中堂ご本尊十一面観音立像(139 センチ、市文化財)のご開帳。30年ぶり。仙道上人が平安末期にヒノキから彫りだしたと伝わる。同じお厨子の中、向かって右に毘沙門天立像(69 センチ)、左に吉祥天立像(62センチ)。吉祥天さまが童女のような清らかさ。ご開帳のお厨子の外に、白鳳の銅像菩薩立像。
 ご開帳は2017年11月1日~30日まで。

多可郡多可町 柳山楊柳寺
本堂
 秘仏本尊 木造楊柳観音立像(182.2 センチ、町指定文化財)。平安(井上正先生が7世紀後半の可能性も指摘されたとか)
 秘仏 木造十一面観音立像(甲)125.3センチ、平安、県指定
 秘仏 木造十一面観音立像(乙)116.0センチ、平安、県指定
 秘仏 木造十一面観音立像(丙)108.0センチ、平安、県指定
甲は平安前期に特有の衣の深いうねりと顔の厳しい表情を示しながらも、衣の表現の一部に形式的な面もあり、平安中期か。

奥の院
 中尊 千手観音立像(179センチ平安)
 向かって右に兜跋毘沙門天立像(150センチ、平安、県指定。地天の上に立つ)
 向かって左に木造多聞天立像(135センチ、平安、県指定)
本堂もすでに山の中腹なのに、そこからさらに山上の奥の院へ。316メートル、片道10分ほどをぜいぜい言いながら登る。奥の院の千手観音立像がとにかく感動。

三木市伽耶
 重文 毘沙門天立像 平安後期の造立当初の彩色が残る。平安中期に遡るとされる不動明王立像

神戸市・無動寺
 重文 大日如来坐像 2.7m ヒノキ一木
 重文 釈迦如来坐像 1.2 m ヒノキ一木
 重文 阿弥陀如来坐像 1.2 m 杉の一木
 重文 不動明王坐像 84cm ヒノキ寄木
 重文 十一面観音立像 1.5m ヒノキ一木
 県文化財 阿弥陀如来坐像 1.2m ヒノキ寄木
 すべて平安時代

11月11日
東京都品川区
○専長寺・阿弥陀三尊 平安後期
 山本勉先生とゼミ生にご案内いただく

11月18日
東京都上野
○上野大仏
○トーハク「運慶展」2回目
静岡瑞林寺の地蔵菩薩坐像
○トーハク「フランス人間国宝」展

11月23日
愛知県
○某寺・愛染明王坐像

蒲郡市
○御堂山観音堂
十一面観音立像
 172 .5cm 寄木 平安後期 県指定

豊川市
三河国分寺
薬師如来坐像

豊川市
○桜ヶ丘ミュージアム
阿弥陀如来坐像(財賀寺より寄託)

豊橋市
○赤岩寺
愛染明王坐像  
 重文 桧寄木 95.7cm 小さい愛染明王104躯が頭部に
勝軍地蔵菩薩愛宕権現社)

静岡県浜松市
○摩訶耶寺
千手観音立像 重文
不動明王坐像 重文
愛染明王坐像
阿弥陀如来坐像 県指定

静岡県浜松市
○岩水寺
 秘仏地蔵菩薩立像(重文 1217年 運覚 165.3センチ 桧寄木着物を着てらした)
 
11月25日
東京
○「The Best of 渡仁 1972 -2017」(高円寺)
○トーハク「運慶」展 3回目