2017年12月16日。ついに東大寺法華堂(三月堂)の執金剛神像にお会いできました!
東大寺は感動があふれています!
執金剛神様に泣く!
法華堂はこれまでに何度かお参りしています。ダーリンとの思い出の場所でもあります。でも、12月16日にしか開かない執金剛神さまには、何年も、いえ、何十年もお会いできないままでした。
実際にお会いすると、写真で拝見していた以上に迫力と気品あるお姿でした。
積年の思いとあいまって、こみ上げるものをこらえることができませんでした!
泣きました!
私はリアルに泣きました!!
これはまさしく塑像の最高傑作。塑像は脆弱ですから、展覧会に出すのは難しいはず。ここ法華堂でしか、年に一度しか、お会いできないのです。
泣き止んだあとは、堂内を何周もして、執金剛神さまにお会いしました。
像高173 センチ。振り上げた金剛杵を今まさに振り下ろそうとする瞬間のお姿。それが1200年以上もの時を経て目の前にありました。
天平仏群を斜め後ろから拝める幸せ!
法華堂内に行かれたことがある方はご存じかと思いますが、堂内には、不空羂索観音様たちが南面して立っておられます。天平仏が立ち並ぶさまは言葉にできない荘厳さがあります。
(写真は小学館『週刊古寺をゆく 東大寺』2001年より)
執金剛神像は不空羂索観音様の後ろ側のお厨子に北面しておられます。
北面する執金剛神さまにお会いするには、不空羂索観音様の向かって右側の通路を通り、その後ろ側に回り込みます。帰りは不空羂索観音様の向かって左側の通路を通ります。
仏友ソゾタケ氏がわかりやすい図を描いてくださっています。その図をお借りしました。
butszo.jp
(↑出典=ソゾタケ氏のブログ「祗是未在」より)
つまり、執金剛神様のご開帳の日には、不空羂索観音様の両脇から、天平仏の一群を拝むことができるのです!
この両脇の通路には、畳敷きの台が置かれており、そこに座って、天平仏を斜め後ろからも真横からも、思う存分拝むことができるのです!!
執金剛神様のご開帳の日だけのもう一つの特別拝観と呼べるのではないでしょうか! 畳敷きの台は、参拝者への最高の贈り物です!!
天平仏と慶派を結ぶDNA!
天平仏が好きです。私の住む都内では平安仏は拝めても天平仏となるとほとんど拝めません。法華堂に林立する天平仏のみずみずしさにふれると、幸せな気持ちに満たされます。
同時に、運慶など慶派の人たちは、天平仏に学び、天平仏に見習ったのだということを実感するのです。
奈良の仏師らしく、平安時代ではなく、奈良時代の仏像に学んだのだと思います。温故知新。仏師のDNAがこのように伝えられる歴史の不思議に私は心が震えるのです。
(↑快慶による京都府・金剛院の執金剛神像! 法華堂の像をいきいきと真似してますよね! 写真は奈良博「快慶」展図録より)
東大寺が好き!
12月16日は良弁(ろんべん)忌なのだそうです。良弁さまは、東大寺の前身寺院である金鐘寺に住し、東大寺の創建に尽力されました。良弁忌の日に開山堂が開けられ、平安前期の良弁様のお像を拝むことができます。
(写真は小学館『週刊古寺をゆく 東大寺』2001年より。お会いしたときは如意棒が水平になってました。この写真は少し古いのかも)
そして、東大寺では毎年この日、修二会に参籠する僧侶が発表されるそうです。
年末の凛とした空気の中、修二会の準備が始まることに感動します。修二会が終わると春です。
季節ごとに毎年祈りが伝えられているのです。
私は修二会のときにお参りしたことはないのですが、8月の大仏様のお見拭いとお盆の夜間拝観を去年の夏から2年越しでお参りしてきました。お盆の夜間拝観で、大仏様の周りを参拝者全員が回りながら、般若心経をお唱えしたことは忘れられません。季節ごとの祈りが美しく、万民に優しいと私は感じます。
(↑2017年8月の夜間拝観の様子)
東大寺の大仏様も、念仏堂などの小さなお堂の仏様も、大好きです。東大寺の季節ごとの祈りが素晴らしいと感じます。
「生きとし生けるものすべての安泰」を願った聖武天皇の思いが、平成の今まで引き継がれているように感じます。
東大寺を尊敬します。