1. 感染症の拡大を防がなければなりません!
新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染が心配な昨今ですが、仏像好きの皆さんはお元気でお過ごしでしょうか?
春のご開帳シーズンには仏像好きのお友達(いわゆる仏友さん)とどこかで出くわすのが常でしたが、今年はどなたにもお会いできていません。Twitterでも「〇寺で仏像拝んできたー」という書き込みが皆無となり、TLは寂しくなりました。皆さん、外出を自粛され、おうちで過ごされているのだと思います。
頻繁に仏像拝観に出かけていた私も、3月に入ってから宿泊を伴う遠征を自粛しています。4月以降は、仕事以外で公共交通機関を利用していません。
ウィルスの恐怖は1月の春節の頃から生活圏にひたひたと押し寄せてきましたが、私が「これは本当にやばい」と感じたのは3月に入ってからでした。WHOがパンデミックを宣言した3月初め頃から、ヨーロッパやオーストラリアの取引先から悲鳴のような連絡が次々と入ってきたのです。某国からは「今は戦争状態で、仕事どころではない」と断言するメールも届きました。
そうこうしているうちに、日本の状況も悪化しました。楽しみにしていた3月14-15日の名古屋の松本寺のご開帳は中止となりました。実際には、松本寺はイベント中止なだけで薬師如来様は拝観させていただけたようですが、私は自粛しました。このご開帳と絡めた仏像リンクさんのツアーも中止になりました。また、翌週お彼岸の3連休に予定していた西国3か寺(紀三井寺、三井寺、石山寺)のご開帳への旅も直前に自粛し、取りやめました。しかし、私の個人的な自粛が奏功するほど、甘くはなかったのです。事態はさらに深刻に。小池都知事の「三蜜避けて」という記者会見が3月25日に行われ、4月7日に総理大臣が緊急事態を宣言する事態となりました。
不要不急を避けて、ステイ・ホーム。ワクチンや特効薬が開発されていないどころか、PCR検査さえ満足に受けられない現状では、外出自粛によって感染拡大を防ぎ、医療崩壊を避ける以外に、有効な対策がありません。自分が感染しない。他人にも感染させない。それしかないのです。そう理解しているからこそ、電車にも乗らず、ご開帳にもいかず、春のお練供養にもいかず、耐えているのです。
2. 拝観マイルールを決めました!
しかし、なんでもかんでも我慢では、神経がまいってしまいます。古寺をめぐり仏像にお会いすることで心身のバランスを保ってきた私にとっては、仏像拝観は決して不要なものではないのです。
外出制限のある中で、何か代替策はないのかーーーと考え、以下のマイルールを決めました。緊急事態宣言下において、これまでのように仏像拝観に行けなくなった私がたどり着いた、新たな楽しみ方は、以下の6か条にまとまりました。
【コロナ自粛時における拝観マイルール】
厚生労働所の通達では、「屋外での運動や散歩など、生活や健康の維持のために必要なものについては外出の自粛要請の対象外とする」とされています(脚注※)。この規定を大前提として、あくまで「健康維持のために必要な屋外での運動や散歩」の範囲内で、仏像活動を行います。
1) 公共交通機関とマイカーは使わず、徒歩か自転車で(あくまで健康維持のための屋外での運動の範囲内で)
2) 人の集まりがちな駅前やスーパー、公園の近くは通らない。川沿いの遊歩道も人が多く、危険なので避ける。
3) 寺社内で住職やご家族に話しかけない。ピンポン鳴らさない。ご朱印もらわない。予約拝観もちろんなし。
4) つまりは、お寺の看板を読んで、堂内覗き込むだけ!
5) お寺の看板は知識の宝庫。知らない情報を得られるはず。コロナが落ち着いたら、お寺を再訪し、住職に話しかけて詳しく教えていただこう。
6) 堂内拝観はできなくても、露座の銅像や石仏、仁王さんには出会える。思いがけず発見があるはずなので、その出会いに期待する。
3. マイルールで思いのほか楽しい出会いが!
実はこのマイルールでお出かけしたところ、思いのほか楽しいです!
まずは、地元仏師による温かみのある銅像に出会えました! なんと市指定文化財でした!
さらに、文化財指定のお堂に、60年に一度の秘仏がおられることも知りました! 廃寺になったお堂の跡地に公民館が建ち、そこに今も観音像がおまつりされていることも知りました!
私が住むのは東京でも多摩地域で、仏像の観点からはかなりの僻地です。それでも、自転車圏内という狭い範囲で、こうした体験ができたのです。しかも、誰とも会うことなく、たった一人で。
このドキドキをブログで少しずつご紹介したいと思っています。またブログに書きたいことが増えました!
さて、ここで質問です。冒頭に掲げた写真はどちらのお像でしょうか??
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【脚注】
※厚生労働省「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」(令和2年3月 28 日(令和2年5月 14 日変更))p14-15より
1)外出の自粛(後述する職場への出勤を除く)
① 特定警戒都道府県は、引き続き、「最低 7 割、極力 8 割程度の接触
機会の低減」を目指して、法第 45 条第 1 項に基づく外出の自粛につ
いて協力の要請を行うものとする。その際、不要不急の帰省や旅行な
ど、都道府県をまたいで人が移動することは、感染拡大防止の観点から
極力避けるよう住民に促す。また、これまでにクラスターが発生してい
る、繁華街の接待を伴う飲食店等については、年齢等を問わず、外出を自
粛するよう促す。
一方、医療機関への通院、食料・医薬品・生活必需品の買い出し、必要
な職場への出勤、屋外での運動や散歩など、生活や健康の維持のために必
要なものについては外出の自粛要請の対象外とする。