ご開帳中止のうえ、美術館まで閉める? これ以上の自粛はつらいよー!
コロナ禍で遠出はだいぶ控えてきた。2020年は9月と10月前半に出かけたが、10月後半からまた自粛していた。その当時は冬は空気が乾燥するから飛沫感染が増えるという説明だった。よって、冬さえ我慢すれば、翌2021年の春にはまた、たくさん出歩けると思い込んでいた。
ところが、変異株とやらのせいで、さらに感染拡大が続いている。「マンボウって何?」と思っているうちに、4月に入って緊急事態宣言が発出。関西のご開帳が相次いで中止となり、私もゴールデンウィークの予定を変更せざるをえなくなった。まずは、紀三井寺を含め関西エリアを幅広く回るプランAから、奈良にしぼったプランBへと変更。しかし、奈良の興福院のご開帳が中止となったこともあり、結局関西行きは断念することに。首都圏内で美術館を中心にのんびり過ごすプランCに変更した。ところが、ところが...! 1月の緊急事態宣言時とは異なり、今回は美術館の多くも休館となってしまった!
美術館は予約制導入や入場制限などにより、この1年間でコロナ対策が大きく進んでいる。入場者数を絞り、館内での私語を避ければ、何の問題もないではないか! 突然の休館の知らせに私はかなり落ち込んだ。予約キャンセルメールが実際に届き、呆然とした。私もつらいが、開催に関わられた方々はもっとつらいだろう。動く歩道まで設置して開催にこぎつけた鳥獣戯画展の努力をどうしてくれよう。京都で凡夫とまみえる機会を奪われた鑑真和上様をどうしてくれよう。
命より大切なものはないし、ステイホームで感染機会が減らせることも理解できる。しかし、「仏像に会う」「美術館に行く」という行為は、生きていくうえで必要不可欠なのである。特に、不安と緊張の続くコロナ禍だからこそ、不要不急と切り捨てられないのではないか。オリンピックはやるのに、美術館閉めるとはどういうことか。
そういうわけで、2年連続でGWに外出を自粛せざるをえないこの状況について、私は頭で理解できても、心と体が受け付けなくなってしまった。出かけたい。でも、出かけてはいけない。4月24日から数日間、私はそうしたアンビバレントな感情を抱え、気持ちが沈みがちとなった。自らの混乱を収める一つの方法として、美術館やご開帳の開催状況をまとめてみた。感情がもやもやするときは、まずは目の前の事実を整理してみるのが効果的だ。おかげでやっと少し落ち着いたので、これを書いている。これからGWのプランDを検討しなくては。遠出できなくても、きっと何か楽しいことができるはず。
美術館等の休館情報まとめ
(※2021.4.27現在の情報です)
(※個人調べのため間違いがあるかもしれませんし、今後また急な変更もあるかもしれません)
閉まっているのはつらい。だけど、紀三井寺や石山寺のように、開いているのに、遠いから自粛しないといけないのもつらい。。。
1) 休み
・八王子夢美術館 4/26-5/11休(北斎展当初予定6/6まで)
・東京富士美術館 4/25-5/11休
・府中市美術館 4/25-5/11休(与謝蕪村展が5/9までだった)
・五島美術館 4/25-5/14休
・八王子市郷土資料館 図書閲覧停止 4/26-(郷土資料館が3/31閉館後も同館内で続けられていたサービス)
・桑都日本遺産センター八王子博物館 4/29オープンが延期
・八王子市図書館 4/27-5/11閉館
・多摩森林科学園 4/24-閉鎖
・根津美術館 4/25-5/11閉館、5/11-16夜間開館中止(国宝燕子花図屏風は5/16まで)
・新国立美術館 4/25-5/11閉館、佐藤可士和展中止
・あべのハルカス グランマ・モーゼス展 4/25-当面閉館(当初予定6/27まで)
・東京国立博物館4/24-当面の間休館、鳥獣戯画展の当初予定は5/30まで
・京都国立博物館鑑真和上と戒律4/25-5/11閉館(当初予定5/16まで)
・九品仏浄真寺 5/5お面かぶり延期/千部法要を僧侶のみで
・大念仏寺 5/1-5万部おねり お勤めのみ山内職員で厳修。二十五菩薩の練供養と伝供を自粛。来山参詣ご遠慮ください。
・パナソニック汐留 クールベと海 4/28-当面休み(ただし解説動画配信4/26, 5/6, 5/9)
・Play! Museum 4/26-緊急事態宣言終了まで休み(酒井駒子展-7/4, ぐりとぐら-2022/3末)
3) 開いてる
・紀三井寺よみがえりご開帳 5/29まで○(※「なるべく緊急事態宣言停止後にご来山ください」HPより)
・奈良国立博物館 聖徳太子と法隆寺 4/27-6-20 ○ 事前予約優先(国宝聖徳太子絵伝全十面一挙公開と国宝塔本塑像羅漢坐像は奈良会場のみ)
・塩船観音寺 5/1-3秘仏本尊ご開帳○(特に中止情報なし。入堂拝観可能かは不明)
・山梨県立歴史博物館 武田信玄の生涯5/10まで○
・金沢文庫 鶴見寺尾郷絵図の世界 5/23まで予約制
・鎌倉国宝館 鎌倉の至宝5/9まで○ 予約不要
・大磯町郷土資料館 「旧高麗寺ゆかりの神像・仏像修理」 6/20まで○
・大岩山毘沙門天 ご本尊出開帳 5/9まで○
・石山寺光堂公開