ぶつぞうな日々 part III

大好きな仏像への思いを綴ります。知れば知るほど分からないことが増え、ますます仏像に魅了されていきます。

瑞林寺の康慶の地蔵菩薩坐像~運慶展にて親子対決!~

二度目の運慶展。
待ち時間なしと聞き、仕事終わりで駆けつけましたが、激混みでした。

後期の展示替えの目玉は、静岡県富士市・瑞林寺の康慶作、地蔵菩薩坐像。数年前から予約拝観を受け付けておらず、年に1日ご開帳があるのみです。拝観が難しい仏像です。
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康慶の子である運慶は、これとよく似た地蔵菩薩坐像(京都の六波羅密寺)を残しており、運慶展に出展中です。

つまり、親子の違いを見比べられる貴重な機会なのですっ!

康慶の地蔵菩薩さまは鎌倉国宝館にお出まし以来、二度目の拝観でした。今回、大勢の人の波をかき分けて拝しましたが、やはり傑作と呼べるのでないでしょうか。

運慶の地蔵菩薩は、康慶のとは異なり、足が衣
から出ていません。その分、動きが穏やかかと思いきや、衣紋の動きは複雑に深く刻まれています。それなのに、背面は拍子抜けするほどあっさりとしていました。
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どちらも一族の供養のために造立したと聞いたことがあり、他の運慶の作品とは異なる背景があるのかもしれません。

運慶展はあと一週間。もし空いてる時間があれば、康慶の地蔵菩薩だけでももう一度行きたいです。

※写真は「運慶」展(東京国立博物館)のサイトより