ぶつぞうな日々 part III

大好きな仏像への思いを綴ります。知れば知るほど分からないことが増え、ますます仏像に魅了されていきます。

【滋賀】元龍寺(甲賀市)〜在所の皆様のたいせつな観音さま〜

元龍寺(滋賀県甲賀市
十一面観音菩薩立像
平安中期 市指定文化財

元龍寺の観音様。お供物は民の信仰の証

 毎年8月10日にご開帳という情報があったので、甲賀市から管理者の方の連絡先を教えていただき、電話するも、まったくつながらなかった。

 当日、半信半疑で現地に伺うと、お堂が開いており、気品あふれる穏やかな観音様が迎えてくださった。桧による等身大の立像で、平安時代中期の作とされる。

 小さなお堂内には、観音様をお守りされている在所の方々がおられた。私よりもかなり年上のおじさまとおばさまだった。

 これまで在所7軒ほどでお守りしてきたが、高齢化で難しくなり、近くのお寺様に観音様にお預けする予定だという。元龍寺でのご開帳はこれが最後なのかも。

 預け先のお寺様のお名前を教えていただいたが、ここでは伏せておく。きっとそこで大切におまつりされるに違いない。信仰は続く。

 Nothing is permanent. But life is going on with Kannon-sama.