2018年8月は夏休みに大分に行ってきました。2018年は六郷満山の開山1200年の特別開帳などの行事が行われると聞き、出かけたのですが、私が訪れた8月はそうした行事はお休み期間のようでした。それでも事前にお電話でお願いしたお寺から拝観を断られることは一度もなく、平安仏を中心にお参りすることができました。長安寺の太郎天三尊は独特で、清らかなお姿が胸を打ちました。無動寺と真木大堂の仏像群は圧巻で言葉になりません。富貴寺は有名な国宝の阿弥陀堂だけでなく、本堂の阿弥陀三尊と菩薩面に感動しました。
宇佐市内にも古仏が残っています。院内の龍岩寺は山の中の岩屋に清らかな木彫仏が坐しており、特に感動しました。大楽寺の弥勒三尊も心に残っています。天福寺奥院の塑像は県立博物館でお会いできました。
また、臼杵は30年ぶりの再訪でした。30年前には、臼杵を代表する大日如来さまはまだ修復されておらず、その頭部が地面に置かれていました。昔は臼杵といえば、この仏頭というイメージでしたが、修復後の大日如来さまを見ると、とてもしっくりきました。また、昔は普通の山道に磨崖仏が点在するという印象でしたが、今では覆屋が設けられ、磨崖仏の維持管理のための整備がなされていました。生まれ変わった臼杵磨崖仏を再訪でき、嬉しく存じます。
2018年
8月2日
半蔵門ミュージアム
○会津美里町・法用寺の梵王像(三十三応現身)
【展覧会】ついに半蔵門ミュージアムに行ってきました! - ぶつぞうな日々 part III
8月5日
○奈良・興福寺東金堂(中金堂落慶まであと2か月)
○大阪市・和光寺 特別公開
・ご本尊 善光寺式阿弥陀三尊
中尊は鎌倉時代、脇侍は江戸時代、市指定文化財
・木造釈迦涅槃像 江戸時代、市指定文化財
・地蔵菩薩立像 10世紀 一木造り 市指定文化財 通称あごなし地蔵
【大阪】特別公開・和光寺の仏像群~あみだが行けと言いました~ - ぶつぞうな日々 part III
○奈良国立博物館「糸のみほとけ」展
8月6日
○宇佐市院内 龍岩寺(曹洞宗)
奥院=岩山の崖に建つ岩屋に薬師、阿弥陀、不動の三尊(クスノキ一木、12世紀前半、重文)
本堂=十二神将(県指定文化財)
※石橋(鳥居橋、富士見橋、御沓橋)
8月7日
○大分県立歴史博物館
・天福寺奥院の
塑像三尊(奈良時代、8世紀後半、重文)
木彫像十数体(平安時代)
○宇佐市・大楽寺(高野山真言宗)
・弥勒仏(137.9センチ、左手が降魔印)および両脇侍立像
・四天王立像
いずれも平安後期、桧一木で、重文
しびれました!
○宇佐市・極楽寺(浄土宗)
・本尊阿弥陀如来立像(元 宇佐宮第弐堂)(文化財は未指定?)
・弥勒仏坐像(元 宇佐宮弥勒寺講堂本尊、丈六、室町)(県指定文化財)
・髪繍浄土曼荼羅(延宝年間=1673~1681年)(宇佐市指定文化財)すべて髪で刺繍したという當麻曼荼羅に大興奮
○宇佐市・大善寺(曹洞宗)
元 宇佐宮弥勒寺金堂仏像群
・薬師如来坐像=宇佐宮弥勒寺金堂本尊(1311年、重文)
・日光月光菩薩立像(県指定文化財)
・愛染明王坐像(県指定文化財)
・不動明王坐像(県指定文化財)
8月8日
六郷満山
○豊後高田市・都甲八幡社 仁王像(電話してるみたいな仁王さん)
○豊後高田市・長安寺(天台宗)
・太郎天像(榧の一木造り、1.6m)(1130年)と二童子立像(重文)=清らかな三尊でした
・銅板経(重文)
・鬼面
長安寺は屋山の中腹にある。本堂の千手観音立像は金ぴか。観音様の左側に古びた阿弥陀如来坐像。像高1mほどで、お顔の感じから江戸時代か。住職が天念寺も兼任。
○豊後高田市・天念寺
天念寺は長安寺の住職が兼任しており、ご朱印も長安寺でいただける。お坊様はおられないが、仏像群は拝観可能。
天念寺歴史資料館「鬼会の里」
・本尊阿弥陀如来立像(12世紀前半)(198センチ、榧の一木造り、内ぐり)(重文)
・勢至菩薩立像(県指定)
・千手観音立像(県指定)
※鬼会の映像が迫力あり、鬼会の様子が想像できた
天念寺講堂
・川中不動
○豊後高田市・無道寺
・薬師如来坐像(平安後期、11世紀後半、県指定文化財)(155 cm 樟一木造り 彫眼)
・日光月光菩薩立像(市指定)
・十二神将(鎌倉時代、県指定)
・不動明王坐像(平安後期、県指定)(115.8cm 桧一木造り 内ぐり)
・胎蔵界の大日如来坐像(平安後期、県指定)
・弥勒仏坐像(平安後期、県文化財指定では薬師如来坐像)
○臼杵市・臼杵石仏
頭部が下に落ちていた大日如来の修復後、初めてお参り。覆屋など全体に整備されて、拝観しやすくなっていた。平安後期の優しい磨崖仏の数々にひたすら癒された。
【大分県】臼杵石仏~30年ぶりに訪問して感動できる幸せ~ - ぶつぞうな日々 part III
8月9日
○宇佐神宮
本宮→外宮→宝物館(木造仁王像、孔雀文磬)
○富貴寺
国宝阿弥陀堂
・阿弥陀如来坐像(重文)
本堂
・阿弥陀坐像と両脇侍立像(県指定)
・菩薩面
○真木大堂
・不動明王立像と両脇侍立像
・阿弥陀如来坐像
・大威徳明王
○元宮磨崖仏(熊野磨崖佛の附として重文に指定)
○両子寺
・護摩堂 不動明王
・講堂 阿弥陀三尊
・奥院 千手観音
8月26日
東京国立博物館
○11室
・地蔵菩薩立像 鎌倉 善円の作風に近い
・帝釈天立像 10世紀 一木造り 量感あり
・十一面観音菩薩立像 9世紀 体幹部が一木造り 両腕は後補 面部は彫り直し 後補の頭飾や天衣を取り外し面目を一新
・不空羂索観音菩薩立像 法隆寺 鎌倉 13世紀 善派系仏師による壇像風の作例
・菩薩立像 13世紀 肥後定慶の作例に近い
・十一面観音菩薩立像 9世紀 秋篠寺
・聖観音菩薩立像 9-10世紀 大阪観心寺 密教の仏に多い円筒形の宝冠を付ける
・毘沙門天立像 9世紀 和歌山・道成寺
・十一面観音菩薩立像 10 -11 世紀 奈良薬師寺 ヒノキの一木造り 見事としか言えない
横から観たときの動きある感じがたまらない(サモトラケのニケのよう)。
・十一面観音菩薩立像 9世紀 奈良小嶋寺 やばいとしか言えない
・不動明王立像 12世紀
・阿弥陀如来坐像 12世紀前半 奈良・光明寺 見事な定朝様
・釈迦涅槃像 13世紀 奈良・岡寺
○トーハク×びじゅチューン! なりきり日本美術館
岸田劉生の麗子
○縄文展
注 写真について
大楽寺、真木大堂、薬師寺十一面観音(トーハク)の写真はネットで拾ったものです。それ以外は筆者撮影です。