ぶつぞうな日々 part III

大好きな仏像への思いを綴ります。知れば知るほど分からないことが増え、ますます仏像に魅了されていきます。

2018年4月の仏像拝観リスト

 2018年4月はまず、お釈迦様のお誕生日にご開帳の笠間の弥勒教会へ。近畿日本ツーリストクラブツーリズムに初参加し、なんと秘仏雨引観音様にもお会いできた。クラツーさんすごい。
 仏像リンクのdeep大阪は、愛知県あま市の練供養と日程が被り大変悩ましいところであったが、訪問先の濃さと仏友さんとご一緒できる楽しさを優先して参加。高槻の慶瑞寺の菩薩坐像、泉大津の千原大師堂の十一面観音立像などは、その後の私の仏像活動に影響を与えたと思う。
 東京国立博物館の展覧会(新指定文化財展と国華展)とあきる野市の大悲願寺再訪を経て、ゴールデンウィークの前半に再び関西へ。奈良県當麻寺で4月29日に行われる「練り初め(ねりぞめ)」を見学させていただいた。とても感動的だったし、勉強になった。手元に残るメモをなんとかブログに上げられないものか。
 大阪府八尾市の地蔵菩薩の練供養も楽しかった。鬼さんが登場し、地元の子どもが泣いてしまう地元のイベント。こういうものが残っていく日本であってほしい。
 また、滋賀の金勝寺の軍茶利明王さまと石山寺光堂の大日如来さまは特に心に残った。平安中期のどっしりとした優しいお姿に強く惹かれる。

2018年

4月14日 仏像リンクオフ会・deep大阪1日目

仏像リンクDeep大阪1日目速報 - ぶつぞうな日々 part III

1) 朝日山神蔵寺(京都府亀岡市臨済宗妙心寺派
ご本尊薬師如来坐像(重文)
日光菩薩月光菩薩立像(市指定文化財

2) 涌泉寺(大阪府豊能郡能勢町
日蓮宗

大威徳明王坐像
102.7センチ。一木割はぎ。平安12世紀頃。六面六臂六足の憤怒形。能勢町指定文化財
(平安後期とされてきたが、平成13年から14 年の京都美術院国宝修理所の修復時に、平安初期9世紀の作かもと言われた)
多宝如来坐像
94.8センチ檜寄木造り。彫眼。平安後期12世紀。大阪府重文。仏師「経深」の銘あり。
釈迦如来坐像
86センチ。檜寄木造り。彫眼。平安後期から鎌倉初期。

3) 安穏寺(大阪府豊能郡能勢町

東向き十一面観音菩薩立像
106.7メートル。四臂の十一面観音菩薩立像。檜、寄木造り。彫眼。12世紀。大阪府重要文化財。恵心僧都源信の作と伝わる。

4) 慶瑞寺(大阪府高槻市黄檗宗
木造菩薩坐像
昭和61年に本堂から見つかる。8~9世紀頃または平安初期の作。重要文化財
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5) 高槻市山手町の薬師堂(大泉寺の境内)
薬師如来坐像
86.0センチ。平安後期。高槻市文化財

6) 安岡寺(大阪府高槻市
木造千手観音坐像

4月15日 仏像リンクオフ会・deep大阪2日目

仏像リンクDeep大阪2日目速報 - ぶつぞうな日々 part III

1) 孝恩寺(大阪府貝塚市)浄土宗

平安時代中期の本尊阿弥陀如来などの仏像群19体と板絵1枚が収蔵庫に安置。いずれも重要文化財
虚空蔵菩薩立像は60年ほど前から大阪市立美術館に寄託。また、薬師如来立像は現在トーハクの国華展にお出まし中)
ほとんどすべてが榧の一木造り。
木造跋難陀龍王立像、阿弥陀の説法印を結ぶ弥勒菩薩坐像など。

本堂(国宝釘無堂)の内陣
来迎阿弥陀三尊と法然善導両上人。阿弥陀さまが美仏。


2) 千原大師堂(大阪府泉大津市) 
十一面観音立像
123.8センチ。10世紀頃。大阪府指定文化財。10世紀の仏像に目覚めてしまったかも。
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3) 天野山金剛寺大阪府河内長野市
金堂落慶記念の特別拝観=木造大日如来坐像(平安末期)、木造不動明王坐像、木造降三世明王坐像(鎌倉時代

平安後期の五智如来像が五仏堂に。五智如来さまの後ろに、真数千手観音立像

4) 日野観音寺(河内長野市日野)
木造大日如来坐像
147センチ。檜の寄木造り。12世紀 。重要文化財

5) 観福寺(和泉市
弥勒菩薩坐像

6) 正伝寺(大阪府四条畷市融通念仏宗
薬師如来立像
181.1センチ。一木の古様な造り。彫りは浅い。
ぷっくりあんよは後補。

4月20日 トーハク新指定文化財展と名作誕生展

1) 東京国立博物館 新指定文化財
2018年の新指定文化財展(東京国立博物館) - ぶつぞうな日々 part III

○東川院(岩手県一関市大東町
木造観音菩薩坐像(114 .3 cm)
穏やかな作風に平安末期の彫刻様式を示す。吊り気味の目など新しい傾向もみられ、1170~80年代頃の製作と考えられる。

○西光寺(愛知県津島市
木造地蔵菩薩立像(159.6cm)
運慶周辺の仏師による。最近行われた保存修理により納入品が発見され、1187 ~1193 年頃にかけて行われた諸国勧進により多くの結縁者を得て製作されたことことが判明。胎内納入文書の一部も公開されている。

○円常寺(滋賀県彦根市
木造阿弥陀如来立像(快慶、98.8cm)
三尺阿弥陀は数多くあれど、快慶は別格だと再認識。


2) 東京国立博物館
「名作誕生」展(創刊記念『國華』130周年)
名作誕生展(東京国立博物館)に一木造り薬師如来立像が林立! - ぶつぞうな日々 part III
平安一木造りの薬師如来立像が林立!
唐招提寺元興寺(内ぐり)、孝恩寺(ものすごい破壊力)、桜井市笠区(あまりの迫力)、淡路島、京都の春光寺(和様の兆し)

4月28日滋賀県(憧れの金勝寺、石山寺三井寺の特別拝観)

滋賀県

栗東市・金勝寺
春と秋の土日祝日に運行されるバスに乗り、念願だった軍茶利明王にお会いできた。
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大津市
石山寺光堂特別公開 10世紀の大日如来(多宝塔の旧本尊)など
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三井寺
本堂内陣特別拝観 新羅明神本地仏文殊菩薩坐像

観音堂特別拝観 本尊如意輪観音厨子は閉まっていたが、脇侍の不動明王毘沙門天を内陣で拝観できた

4月29日奈良県(正蓮寺大日堂と當麻寺練り初め見学)

奈良県
橿原市・正蓮寺大日堂

葛城市・當麻寺

護念院 練り初め見学
(練供養当日に菩薩になられる方向けの法要を堂外から見学させていただく。どの菩薩になるのかのくじ引きが行われ、練供養のクライマックスである引接シーンを観音勢至普賢菩薩が実際に演じた。この3菩薩は動きの練習が必要で負担が大きいため、上記のくじ引きによらず、地元の方が務めておられる)

奥院(阿弥陀堂特別公開)、曼荼羅堂、講堂、金堂、中之坊(導き観音立像)を拝観

曼荼羅堂の當麻寺曼荼羅阿弥陀如来立像、織姫観音さまが大好き。織姫観音さまはお会いする度に好きになる。講堂は丈六阿弥陀さまが胸にしみた。
また、奥院の本堂が特別公開されており、平安の聖観音立像や地蔵菩薩立像を拝むことができた。

4月30日 奈良市から大阪・三津寺の公開、そして八尾の練供養へ

奈良市・伝香寺
普段は収蔵庫におられる地蔵菩薩立像が、奈良国立博物館の「春日大社」展にお出まし中。その代わりに、本堂の釈迦如来坐像が収蔵庫に安置されており、拝観できた。本堂の釈迦如来坐像は年に2回しか公開されないので、大変貴重な機会だった。宿院仏師の作。

奈良国立博物館春日大社」展 
円成寺の平安前期の観音立像。明るい環境でよく拝観でき、感動もひとしお。

興福寺国宝館
改装後、初参拝。銀の仏手が展示されておらず、ショックを受ける

大阪市文化財公開・三津寺(難波)
平安から江戸まで、多様な仏像群にただただ唸る。機会があればまたお参りしたい。

大阪府八尾市・常光寺
【来迎会】大阪・常光寺の八尾地蔵練供養~鬼さん登場の怖くて楽しい練供養!~ - ぶつぞうな日々 part III

八尾地蔵練供養! 小野篁ゆかりの本尊地蔵菩薩立像は市の文化財

以上