ぶつぞうな日々 part III

大好きな仏像への思いを綴ります。知れば知るほど分からないことが増え、ますます仏像に魅了されていきます。

笠間の弥勒仏立像(茨城県笠間の六体仏の一つ)

茨城県茨城県
笠間市
弥勒教会・弥勒仏立像
鎌倉幕府御家人だった宇都宮氏の一族、笠間時朝(かさまときとも)が造立した「笠間六体仏」のうち、現存する三つの像の一つ。
重要文化財。1247年造立。像高175センチ。寄木造り。漆箔。玉願嵌入。台座と後背も造立当初のまま。肉髻は低い。
像内に時朝と等身大の像であることを示す銘があるとのこと。
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「衲衣の衣文は複雑で、この時代に流行した中国宋朝の様式と鎌倉彫刻の様式が確立された13世紀後半の一典型を示す」(茨城県文化財サイトより)
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衣紋の流れかたから、興福寺北円堂の無着世親像を思い出す一方で、下腹部から足元に同心円状に流れる衣紋が独特と感じた。私としては、肉髻が低いのが残念。玉眼が理知的に光っていた。

毎年4月8日の花祭りの日に公開される。収蔵庫の横に小さな誕生釈迦仏が安置され、甘茶をかけることができる。
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収蔵庫を臨む。
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今年は日曜日にあたるためか、参拝者が途切れることがなかった。

収蔵庫の脇に白山神社あり。また、周辺は畑が広がるのどかの場所。
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(弥勒仏立像の写真は堂外から撮影したものをトリミング)