八角裳懸座(はっかくもかけざ)の阿弥陀さまを調べています。どこのお寺におられるのかご存知でしたら教えてください。
八角裳懸座が気になったきっかけは、先週、愛知県豊橋の普門寺をお参りしたこと。普門寺の収蔵庫には、四天王や不動三尊とともに、伝釈迦如来坐像と阿弥陀如来坐像がおられます。これらの如来坐像は140センチほどの半丈六なのですが、その寸法以上に大きく感じられ、立派で雅な印象を受けます。
その理由の一つが見事な台座にあるのではないかと思うのです。
※写真の撮影は許可を得ています。
写真でご覧いただけるかと思いますが、如来さまの台座は八角形。台に布を懸け、下に流れる模様が優しく美しいです。普門寺の場合は裳懸が二重になっています。
特に、阿弥陀如来坐像は、脚の辺りの衣紋が台座の裳懸へときれいに流れるように続いています。なんとも美しいです。
ちなみに、破綻なく見事なプロポーションの伝釈迦如来さまに対し、阿弥陀さまは頭部が身体に比して大きめ。このアンバランスが私の乙女心をわしづかみにしました。普門寺の阿弥陀さまに魅了されました!
お耳が垂れてるところ、高い肉髻、静かに閉じた目と口元。三角形を描く全体のシルエット。とにかく大好きです。結跏趺坐さえかわいらしく見えてきます。
<八角裳懸座は他にどちらに?>
そして、気になるのが八角裳懸座です。他にどのような例があるのでしょう。
八角裳懸座でGoogle検索してみると、以下の例が見つかりました。
岡山の弘法寺常行堂(阿弥陀さま)
奈良県大和郡山の矢田寺(阿弥陀さま)
京都大原三千院(国宝阿弥陀三尊の中尊)
大阪府堺市の法道寺(阿弥陀さま)
山口県周防大島町西長寺の阿弥陀堂(阿弥陀さま)
滋賀県栗東市の金胎寺(ご本尊阿弥陀さま)
法隆寺西円堂(薬師如来さま)
これまでお会いしたことがあるのが矢田寺、三千院、そして金胎寺です。
岡山の弘法寺は二十五菩薩来迎会でお参りしたのですが、常行堂は遍明院のさらに山の上でお参りできていません。あの山の奥に丈六の阿弥陀さまはおられるのでしょうか? (※追記 なんと2018年11月17日にお参りできました! 常行堂の阿弥陀さま、感動的でした!! ※2019年5月5日の二十菩薩来迎会、踟(ねり)供養の模様はこちら)
(↑写真は瀬戸内市のサイトより)
堺市の法道寺のお像は数年前の堺市博物館の法道寺展にお出ましだったそうです。堺市の文化財サイトによると、普段は非公開とのこと。詳しくはお友達のカルマさんのサイトをご覧ください!
大阪府・堺市博物館「法道寺の至宝展の巻き」 : ひたすら仏像拝観
山口県の周防大島は二十五菩薩来迎会を行っているお寺もあるので、できれば会わせてお参りしたいところです。地図で見るとあまりに遠い…! 気力と財力が整い、機が熟すのを待ちます。それにしても、写真を拝見する限り、かなりの迫力です。丈六だそうです。
(↑写真は山口県の文化財サイトより)