ぶつぞうな日々 part III

大好きな仏像への思いを綴ります。知れば知るほど分からないことが増え、ますます仏像に魅了されていきます。

【大阪】藤田美術館の快慶の地蔵菩薩立像~小さいものにこそ匠の技が際立つのか~

※2015年8月の拝観メモです

快慶の地蔵菩薩立像
拝観日=2015年8月15日
像高58.9cm 木造 彩色・載金 奈良興福寺伝来
f:id:butsuzodiary:20190321071053j:plain
f:id:butsuzodiary:20190321081809j:plain

 小さいものにこそ匠の技が際立つのか。

 その最たる例が今、サントリー美術館(※)にお出ましだ。鎌倉時代の仏師、快慶が作った地蔵菩薩立像である。

 大阪の藤田美術館が所蔵するお像で、同館でもなかなか公開されないと聞く。しかも、藤田美での展示とは違い、サントリー美術館では、お像のまわりをぐるっと回って、360度からの拝観が可能となっている。

 私は来迎立像の前傾具合に激しく反応する、いわゆる前傾フェチである。サン美での360拝観により、この快慶地蔵立像の控えめな前傾具合に完全ノックアウトされた。お像の後ろに流れる雲もかわいらしい。

 そうしたディテールの素晴らしさの一つ一つが合わさって、この小さな立像は私を夢中にさせるのだろう。

 あまりの美しさに卒倒しそうになり、通路に出て深呼吸し、また展示室に戻るというのを何度か繰り返した。

 お像拝観のポイントを記したパネル展示もオススメ。

 サントリー美術館藤田美術館の至宝 国宝 曜変天目茶碗と日本の美」は9月27日まで(※)

(写真は会場で購入したポストカードより)

注※ 本稿は2015年のサントリー美術館の展覧会の拝観記録です