※2015年8月の拝観メモです
快慶の地蔵菩薩立像
拝観日=2015年8月15日
像高58.9cm 木造 彩色・載金 奈良興福寺伝来
小さいものにこそ匠の技が際立つのか。
その最たる例が今、サントリー美術館(※)にお出ましだ。鎌倉時代の仏師、快慶が作った地蔵菩薩立像である。
大阪の藤田美術館が所蔵するお像で、同館でもなかなか公開されないと聞く。しかも、藤田美での展示とは違い、サントリー美術館では、お像のまわりをぐるっと回って、360度からの拝観が可能となっている。
私は来迎立像の前傾具合に激しく反応する、いわゆる前傾フェチである。サン美での360拝観により、この快慶地蔵立像の控えめな前傾具合に完全ノックアウトされた。お像の後ろに流れる雲もかわいらしい。
そうしたディテールの素晴らしさの一つ一つが合わさって、この小さな立像は私を夢中にさせるのだろう。
あまりの美しさに卒倒しそうになり、通路に出て深呼吸し、また展示室に戻るというのを何度か繰り返した。
お像拝観のポイントを記したパネル展示もオススメ。
サントリー美術館「藤田美術館の至宝 国宝 曜変天目茶碗と日本の美」は9月27日まで(※)
(写真は会場で購入したポストカードより)
注※ 本稿は2015年のサントリー美術館の展覧会の拝観記録です