ぶつぞうな日々 part III

大好きな仏像への思いを綴ります。知れば知るほど分からないことが増え、ますます仏像に魅了されていきます。

2019年8月の仏像拝観リスト

 7月から体調が今一つだったが、夏休みを二回に分けて取り、徐々に回復できた。前半で東京近郊の四万六千日をめぐり、後半で京都と奈良の地蔵盆へ。締めは滋賀県長浜の丹生谷文化財フェスタ。
 地蔵盆に出かけたけど、関西に行ったからには丈六阿弥陀様にもお会いしたくなる。京都市伏見の法界寺の阿弥陀さまの優しさと包容力に癒され、一念寺の阿弥陀さまのカッコよさに幸せ感じた。

8月8日
○「優しいほとけ・怖いほとけ」展(根津美術館
12世紀の菩薩立像(観音)など。お像の伝来について説明がほしかった。不動明王仏画に直毛の不動様がおられた
○「日本の素朴絵 ーゆるい、かわいい、たのしい美術ー」(三井記念美術館
○「奈良大和四寺のみほとけ」展(東京国立博物館
○「やまちんー沖縄のやきもの」展(東京国立博物館

8月9日
○坂東10番正法寺(岩殿観音)四万六千日
○坂東11番安楽寺(吉見観音)四万六千日。夜の法要の後、花火

8月10日
長谷寺鎌倉市)四万六千日
○安養寺(鎌倉市)四万六千日
○杉本寺(鎌倉市)四万六千日
覚園寺鎌倉市)黒地蔵盆
○宝戒寺(鎌倉市
普段は外からガラス越しに覗くだけの聖天堂から、阿弥陀如来立像と十一面観音立像が本堂にお出まし。阿弥陀は三尺ほどで、おそらく鎌倉時代か? 十一面観音立像は、堂外から覗くと古い感じにみえたが、近くで見ると最近の作(昭和とか?)のようだった。聖天堂は改修工事中
○「仏像入門」展(鎌倉国宝館)
鎌倉大仏
※岩田珈琲のホットケーキ
○西方寺(東京都調布市)四万六千日

8月16日
九品仏浄真寺
・閻魔堂落慶
・虫干し大法要

8月22日
MIHO MUSEUM滋賀県甲賀市
山科地蔵徳林院(京都六地蔵
源光寺 常盤地蔵(京都六地蔵
仁和寺京都市)金堂経蔵・観音堂特別公開
堂本印象美術館(京都市) 印象所蔵の仏像が初公開

8月23日
能化院(宇治市)予約拝観
法界寺(伏見区)国宝の丈六阿弥陀さま
大善寺伏見区)京都六地蔵
一念寺(伏見区) 丈六阿弥陀様を予約拝観
恋塚浄禅寺 鳥羽地蔵(南区)京都六地蔵
智恵光院(上京区)六臂地蔵ご開帳
元興寺奈良市地蔵盆で夜の曼荼羅堂に地蔵菩薩ツイントップ

8月24日
奈良国立博物館「法徳寺の仏像ー近代を旅した仏たちー」「いのりの世界の動物」展示
唐招提寺奈良市地蔵堂ご開帳
嵯峨薬師寺京都市右京区)15時まで地蔵盆ご開帳、送り火
京都国立博物館「京博寄託の名宝 ─美を守り、美を伝える─」展

8月25日
滋賀県長浜市(長浜の観音ガールさんに連れて行ってもらいました! 大好き!)

○瓜生(うりゅう)薬師堂(滋賀県長浜市瓜生町)
薬師如来坐像
重要文化財。像高159.1cm。欅の一木造り。背から内刳り。膝前別材で剥ぎつけ。10世紀末から遅くとも11世紀初の作。延暦寺領に建てられた天台寺院の仏像によく見られる作風を示す。天台彫刻史上重要な資料。(案内チラシより)
両脇侍像は文化財未指定。正面左の菩薩像は鎌倉と言えそうな美仏と見たのだが、どうだろう。控えめな肥後定慶さんという感じがしたのだが。

○黒田観音寺(長浜市木之本本町黒田)
・伝千手観音立像 9世紀末〜10世紀初 199.0cm 国指定重要文化財 桧材一木造 素地仕上げ
お寺でお会いするのは二度目だが、展覧会とは違う表情に見える。第三の目はないものの、胸の前で合掌する両手がないことなどから、千手観音ではなく、准胝観音だろうという説明あり。

長浜の丹生谷文化財フェスタ

○上丹生(かみにゅう)薬師堂(滋賀県長浜余呉町上丹生)
上丹生薬師堂は隣の八幡神社の神宮寺だった。現在は源昌寺が管理する。
今回の丹生谷文化財フェスタでは、秘仏本尊薬師如来立像が公開された。

・本尊秘仏薬師如来立像
重要文化財。50年に一度の秘仏。建保3年(1215) と背面に墨書あり。像高147cm。檜一木造りで、内刳りなし。頭部に比して、体部は非常に薄い。衣文は簡略化。地方仏師の作か。薬壺光背は後補(以上、現地の案内より)。
頭部が大きくて体部が薄い像は神聖さが増すと思う。私はそういう像が好き。大和郡山・矢田寺の試みの地蔵菩薩根津美術館の快助の地蔵菩薩も、そういう表現で、特殊な神々しさを生んでいる。
菅並の洞寿院東林寺の秘仏聖観音立像とよく似ている。どちらも地方仏師によるものか。

・お前立の薬師如来坐像
現在、京都の美術院で修理中。

・僧形坐像
素朴な小像。

聖観音坐像
公開日の朝早く東京に旅立たれ、上野のびわこ長浜KANNON HOUSE へ。

○源昌寺
聖観音立像
・見返り文殊菩薩

○東林寺
聖観音菩薩立像(健保4年 1216年 重要文化財
東林寺は33年に本開帳、17年に中開帳。数年前に東京芸大美術館でお会いした。

○洞寿院
大日如来坐像など