ぶつぞうな日々 part III

大好きな仏像への思いを綴ります。知れば知るほど分からないことが増え、ますます仏像に魅了されていきます。

【山梨】大善寺ぶどう薬師さまのご開帳(2018年)

大善寺

 山梨県甲州市勝沼大善寺で5年ぶりの秘仏ご開帳があり、お参りしてきた。今回のご開帳期間は2018年10月1~14日。
 大善寺は、養老2年(718年)、ぶどうを手にした薬師如来を感得した行基がその姿を刻み安置したと伝わる。今年は開山1300年のメモリアルイヤーでもあった。

秘仏本尊薬師三尊

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(↑写真は大善寺リーフレットより)
 平安時代の優しさと安定感を放つ秘仏薬師三尊。にこやかに、ゆったりと坐す薬師さま。どっしりした威厳がありながら、かわいらしくもある。
 片手を下に垂らし、手の甲を翻す日光月光菩薩立像はチャーミング。リズミカルなその動きに私の心も踊り出す。とにかくこの三尊が私は大好き!
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(↑写真は大善寺HPより。にこやかゆったりの薬師さま! 大好き~)
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(↑書籍に掲載の写真をコラージュ。かわいい!)

蓮慶の十二神将と日光月光菩薩立像

 さらに、本堂には、等身大の十二神将と2メートル超のもう一組の日光月光菩薩立像が一直線に並ぶ。なんとも壮観だ! これら17躯すべてが重要文化財。諸仏の住処である本堂は国宝である。
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 (↑写真は甲州市観光協会Twitter 2018.10.3より)
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(国宝のお堂が青空に映える)

 蓮慶の仏像は福光園寺(笛吹市)の吉祥天と二天像が知られる。以前、予約して拝観させていただいたのだが、強くて優しい吉祥天さまと、それを支える二天がまた強くてかっこよい。元気をくれる三尊なのである。大善寺の蓮慶仏は秘仏ではないので、いつかまた、開帳以外の静かなときに、この2か寺をのんびりお参りしたいものだ。

大善寺と言えばぶどう!

 勝沼行基が薬としてぶどうの栽培を始めた場所とされ、本尊の薬師さまもぶどうの房を手に持っておられる。勝沼駅から臨む盆地には幾つものぶどう園が広がり、大善寺でもぶどうの栽培とワイン醸造も行っている。私はワインは飲めないが、ぶどうが大好きで、ぶどうをぜいたくに使ってスムージーにしたりする。つまり、大好きな仏像と大好きなぶどうが存分に楽しめるのが大善寺勝沼なのである。
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(↑インスタ映えをねらったのか、ぶどうがオブジェのように並べられていた)

ご朱印ご朱印

 今回、特別ご朱印が授与されていたが、そこにもぶどうが描かれている。
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 前回のご開帳のとき、一目惚れして購入した大善寺ご朱印帳にも、当然のごとく、ぶどうがデザインされている。大好きなシャインマスカットではないが、ご朱印帳のベースの色はシャインマスカットを意識したのだろうか(たぶん違う)。
 特別ご朱印は書き置きのみなので、さっそくこの大善寺ご朱印帳に貼り付けた。
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5年という時間

 個人的なことを少し書くと、5年前のご開帳のとき、我が家は何かと大変だった。大切な家族が前年に病に倒れ、長期入院していた。看病する私も心身の過労でしばらく動けなくなり、やっと立ち直りつつある時だった。5年前、無理して出かけた大善寺で、この薬師三尊さまと近くのぶどう畑の光景と香りに癒やされ、元気づけられた。今もとてつもなく感謝している。私が立ち直るきっかけだったように思う。(今でも書きながら涙ぐんでしまう…)
 そして、今回、5年前に入院していた家族と一緒に大善寺のご開帳にお参りすることができた。大善寺のあと、放光寺と恵林寺をお参りし、ほうとうをいただいて、ぶどうをたくさん買って帰ったのだが、その間ずっと夢をみているような不思議な感覚だった。それほど家族の病気はつらかったし、ご開帳日の勝沼の空はどこまでも青かった。家族の笑い声が青空に吸い込まれていく。それがとても不思議だった。人知の及ばない何かを感じずにはいられなかった。5年ごとのご開帳は人生を振り返る機会にもなる。