ぶつぞうな日々 part III

大好きな仏像への思いを綴ります。知れば知るほど分からないことが増え、ますます仏像に魅了されていきます。

【神奈川】足柄地蔵尊(南足柄市)150年ぶりのご開帳

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1) 足柄地蔵尊、150年ぶりのご開帳! さてお像は無事なのか!?

 「♪まさかりかついで金太郎〜」こと、坂田金時の生地の近く、足柄地蔵堂でご開帳があり、お参りしてきた。

足柄山誓光寺 足柄地蔵堂(神奈川県南足柄市
秘仏地蔵菩薩様ご開帳
ご開帳日 2020.11.21-22

 足柄地蔵尊のご開帳は150年ぶりだという。150年も開扉しないで、お像の傷みはないのだろうか。そう思って調べてみると、1979年に神奈川県の文化財に指定された木彫像だとわかった。少なくとも誰か専門家が像の状態を確認した証である。しかも、ご開帳日を前にした神奈川新聞の報道によると、昨年11月に、東京国立博物館の浅見先生が調査されたのだという。
 事前に写真でお姿を拝することはできなかったが、きっと立派なお像であろう。期待に胸を躍らせながら出かけた。

2) 温かみのあるご開帳

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 2020年11月22日、朝9時に現地に到着。早くも多くの参拝者がおられた。朝8:30からの開帳法要が終わった直後のためか、団体参拝の方々がちょうど帰られるところだったようだ。
 受付で検温を済ませ、お檀家様が手作りされた説明の冊子(200円)、お地蔵様のブロマイド(確か300円)、書き置きのご朱印(確か500円)を購入。文化財保護の支援の気持ちも込めて、すべて拝受させていただいた。
 小さなお寺のご開帳といえば、地元の方々が手弁当で準備され、善男善女がにこやかに集う印象がある。秘仏を中心にした、そうしたご縁つなぎのイベントがご開帳なのだと私は認識している。足柄地蔵尊のご開帳はまさにそうした温かみのあるものだった。今年はコロナでご開帳の中止や規模縮小が多かったため、こういう光景を見るのは、ものすごく久しぶりな感じがする。泣けてくる!
 おりしも、ご開帳をお祝いするような快晴。澄み渡った青空のもと、モミジの葉は黄色から紅色への見事なグラデーションで参拝者を歓迎する。お地蔵様のご真言が流れる中、秘仏本尊地蔵菩薩様の拝観の列に並んだ。

3) 土下座拝観!? みんなで膝をつき、かがみ込んで見上げる!

 小さな本堂の裏手に、秘仏本尊地蔵菩薩立像を収める収蔵庫が立つ。収蔵庫の中には入れず、外から拝観させていただく。お地蔵様は、収蔵庫内の大きなお厨子に安置されているため、お顔がよく見えない。
 このため、参拝者は3人ずつ収蔵庫の前に並んで膝をつき、かがみ込んだ上で、お地蔵様を見上げる形での参拝となった。大きな地蔵菩薩様に見下ろされるこの状況、私は決して嫌いではない。もはや土下座拝観と名付けてもよいだろうか?

4) 秘仏 足柄地蔵尊

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(ご開帳時に有料配布された、いわば公式写真)
神奈川県指定文化財
像高160.5cm
13世紀後半
檜の寄木造
玉眼
頭部と肉身部は黒漆塗り
着衣は朱漆塗地に銀泥で文様を描く

 土下座の姿勢で見上げてみると、地蔵菩薩様は、たくましく、がっしりとした印象だった。160cmという像高もさることながら、体躯も太い。力強いお姿だ。若干むちっとした感じもある。おそらく運慶好きな人にはたまらないのではないだろうか。
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(↑檀家様手作りの冊子より)

 この冊子の写真のほうが、先に貼った"公式写真"よりも実際のイメージに近いような気がする。大きな頭部に嵌められた玉眼は鋭いが、私達を威圧するわけではない。太い体躯と複雑な衣文もあいまって、安心して頼りたくなるお姿だった。いずれにしても、写真より数百倍素敵であるので、その旨力説しておきたい!

 なお、今年の春、箱根の正眼寺曽我堂で、鎌倉時代地蔵菩薩立像2躯が並び立つのを拝観させていただいたので、そちらとの比較も実は楽しみにしていた。正眼寺地蔵菩薩ツイントップもとても素敵なので、ぜひともお参りされたい。こちらは春と秋のお彼岸にご開帳である。

 足柄地蔵堂では、次のご開帳は考えていないと伺った。もったいないことである。ご尊像の安否確認も兼ねて、年一ぐらいで拝ませていただけないだろうか。

5) 拝観案内

足柄山誓光寺 地蔵堂
大雄山駅から1時間に一本ぐらいでバスがある。足柄山への登山者も多く利用するバスのようである。
地方のお寺はアクセスが厳しいことが多いが、今回のご開帳は南足柄市がホームページでバスの時間まで案内してくださり、大変助かった。法要時間も記載されており、拝観スケジュールを立てるのに役立った。
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