ぶつぞうな日々 part III

大好きな仏像への思いを綴ります。知れば知るほど分からないことが増え、ますます仏像に魅了されていきます。

【滋賀】成菩提院の秘仏本尊十一面観音さま、15年ぶりのご開帳

寂照院成菩提院(滋賀県米原市柏原)
寺宝展 2022/11/3-13

秘仏十一面観音立像(寺宝展ポスターより)
寺宝展開催中のお堂。歴代住職の肖像画が展示されているのが見える

 成菩提院中興開山第一世 貞舜(じょうしゅん)法印の600年御遠忌にあたり、秘仏ご本尊十一面観音菩薩が15年ぶりのご開帳。
 秘仏の十一面観菩薩様は立像で、大きな宮殿の中に不動明王毘沙門天の三尊でまつられる。事前に写真で拝見した時の印象よりもスレンダーで、ややシャープな感じ。平安後期から鎌倉への過渡期の特徴との説明に納得。穏やかなご尊顔で、頭上に十一面の化仏と立像を配する。右足をやや踏み出し、穏やかに腰をひねる。
 十一面観音様の向かって右に不動明王、左に毘沙門天不動明王は束ねた髪を左肩にたらし、両目を大きく見開き、上歯で下唇をかむ。頭上に蓮台あり。毘沙門天は大きく見開いた両眼に惹かれる。不動明王室町時代毘沙門天鎌倉時代の作。お厨子の中の3躯いずれも米原市指定文化財

秘仏三尊の絵が入口横に架けられていた。毘沙門天不動明王の立ち位置は実際にはこの逆だったが、三尊のサイズ感などがよくわかる

 また、聖徳太子1400回忌として絹本著色聖徳太子(重文)も公開。太子16歳の孝養像だが、右手に蓮華、左手に柄香炉を持つ独特なお姿。
戦国武将関連の資料も多く、石田三成十三ヶ条成菩提院村掟書(市指定文化財)などを展示。
 米原は遠いので諦めていたのだが、名古屋から在来線で1時間で行けると知り、急きょお参りした。伊吹山を見上げ、揺れるすすきも眺めてきた。


【拝観案内】
寂照院成菩提院
滋賀県米原市柏原1692
0749-57-1109
成菩提院 | 長浜・米原・奥びわ湖を楽しむ観光情報サイト