東京長浜観音堂にて
常楽寺の聖観音菩薩立像 2022/6/12まで
長浜市指定文化財
木造 古色 彫眼 像高101.8cm
平安後期、12世紀
滋賀県長浜市湖北町、山本山の中腹に建つ常楽寺より、聖観音立像が東京長浜観音堂にお出ましである。常楽寺の本尊は薬師如来。この観音像は普段は本尊さまの後ろの須弥壇の上、厨子内に安置されている。美しい12世紀の観音像を都内で拝める貴重な機会だ。
[解説書より]
左手で蓮華を取り、右手でその茎を支える。腰を軽く左に曲げる。髻頂にかすかに金箔痕。右顎に下地痕。
衣は衣文線を刻まず、平滑で簡素に仕上げる。肩は丸く、身体の奥行きは薄い。
檜と思われる針葉樹による一木造り。木芯は像後方にわずかに外す。内刳りなし。
[感想]
明るい照明のもと、お像の全体を良く拝見できる。ガラスケースの反射はなし。静かにゆっくり観音さまを見上げられる環境に感謝。
そして、「木芯は像後方にわずかに外す」という解説にドキドキしてしまう。そのことに何か意味があるのだろうか。
また、今回、この小さな都心の観音堂で、仏像好きの友人二人と遭遇。ありがたいし、楽しい! 仏像と東京人だけでなく、人と人とを結ぶ場所にもなっていることを、長浜市さんはご存知か。
常楽寺は年4回の法要時のみ公開。観音祭りの際にも公開されていないらしい。お寺のパンフによると、南北朝時代のクールな毘沙門天立像もおられるようだ。いつかお寺をお参りできるだろうか。