ぶつぞうな日々 part III

大好きな仏像への思いを綴ります。知れば知るほど分からないことが増え、ますます仏像に魅了されていきます。

【展覧会】ほとけの心・木のちから―蓮花寺と地域の美術(大阪府・茨木市立文化財資料館)

「ほとけの心・木のちから―蓮花寺と地域の美術」
2021年9月25日(土)~11月29日(月)
茨木市文化財資料館

 小さな展示かもしれないが、平安の霊木仏が好きな人には全力でお勧めしたい。
 蓮花寺(大阪府茨木市)の地蔵菩薩立像の修理が終わり、市立文化財資料館で展示されている。

地蔵菩薩立像
一木造り 彫眼 像高114.6cm 11世紀 府指定文化財
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 「頭頂から地付まで、木心をこめた堅一材でつくられる」と始まる展示解説。地蔵菩薩にしては「やや厳しい表情を持つのが特徴で・・・静謐な表情をみせる」ことから、「単にほとけである以上のちからを感じさせる」。穏やかな文章の中から、”これは霊木を使った特別な尊像であるにちがいない!!”という叫び声が聴こえてくる! 右肩がでこぼこしてるのは、もともとそこから枝が生えていたからではないか、という説明に悶絶しそうになったので、私も霊木仏に魅せられる人間であると改めて自覚した次第(笑)。
 蓮花寺の地蔵菩薩立像は、数年前に大阪市立美術館の展覧会で拝観して以来、ずっと忘れられずにいた。その時も感動で震えた。本展で再会が叶ったうえに、丁寧な解説で勉強になった。
 入館無料。展示解説(図録)200円。

※写真は図録より