ぶつぞうな日々 part III

大好きな仏像への思いを綴ります。知れば知るほど分からないことが増え、ますます仏像に魅了されていきます。

【山梨県】塩澤寺(甲府市)石造地蔵菩薩坐像

厄除地蔵尊福田山塩澤寺(山梨県甲斐市
石造地蔵菩薩坐像(県指定有形文化財

塩沢寺地蔵菩薩坐像。堂外から覗き込むとその威容に驚きます
地蔵堂南アルプス。↓の辺りに加牟那塚古墳が見える。古墳の多発地帯に温泉に弘法大師

 思いかけず珍しい仏像に出会ってしまった。

 弘法大師が開湯したとされる甲府湯村温泉郷に、真言宗塩沢寺(えんたくじ)はある。決して大きくはないこの寺の寺伝には、二人のビッグネームがその名を連ねる。

 最初の一人はまさしく弘法大師。大同3年(808)、弘法大師がこの地で感得した6寸の地蔵菩薩坐像を自ら刻んだとされる。今は小さな厨子に収められ、秘仏となっている。

 もう一人が空也上人。天歴9年(955)に当地を訪れ、6尺有余の地蔵菩薩坐像をまつったとされる。

 この空也上人の地蔵菩薩像は開扉仏と呼ばれ、堂外からお姿を拝むことができる。像高約150cm、室町時代の作で県指定文化財。堂外からそっと覗き込むと、その威容に息をのんだ。
 一見普通の地蔵菩薩なのだが、調べてみると、相当変わっているようだ。石造仏なのだが、衣文には乾漆を加え、肉身部は漆箔。しかも、両手先と左足先は木を差し込んでいるという。
 さらに、この地蔵菩薩像は自然石の上に置かれた台座に坐すことから、現在の地蔵堂(重文)は地蔵菩薩像の覆屋として造られたのだとか。もろもろ普通ではない。

 この開扉仏は、毎年2月13日正午から翌14日正午まで「厄除地蔵尊大祭」の際、堂内で拝観できるそうだ。ぜひその際にお参りしたい。

【拝観案内】
厄除地蔵尊福田山塩澤寺
〒400-0073 山梨県甲府市湯村3-17-2
055-252-8556