甲州光沢山 青松院(山梨県甲府市)
事前にお電話し、訪れてみると、なんと本堂が建替中。隣の庫裡に避難中の尊像を拝ませていただいた。
平安の十一面観音立像(県指定)と地蔵菩薩立像(市指定)、そして、江戸の毘沙門天立像。観音様が素晴らしすぎて、言葉がみつからない。ただただ癒されるし、幸せがこみあげる。
お寺の門を出て、坂を下りると、目の前に見事な富士山。秋の冷たい風を受けながら、レンタサイクルのペダルを踏むたびに幸せで満たされた。本堂が新しくなったら、またお参りさせていただきたい。
十一面観音立像
像高103cm。檜材で内刳りあり。11世紀。県指定有形文化財。耳朶、天衣、足首、頭上化仏は後補。
毘沙門天立像
像高106cm。江戸時代初期の作。十一面観音、不動明王と雰囲気が似ているように思った。もともとあった三尊のうちの毘沙門天像に似せて造られたのかと想像。
青松院は1522年創建の曹洞宗寺院。観音不動毘沙門天という天台系三尊が残っているのが不思議だ。曹洞宗として創建される前に密教信仰の場だったのかもしれない。
住職が近くに塩沢寺という真言宗の古刹があると教えてくださった。帰りに塩沢寺に立ち寄ってみると、すぐそばに弘法の湯という温泉宿があり、その一帯が温泉街となっていた。
温泉街の隣には、加尼那古墳という大きな円墳がある。この古墳は今は住宅に囲まれているが、かつては幾つもの古墳があり、今も千塚という地名となっている。
令和3年の今年、武田信玄生誕500年を祝う甲府市だが、その歴史は武田のずっとずっと前から豊かだったのだろう。
参考
青松院ホームページに仏像の解説あり(※仏像の写真はこのHPより引用)
www.fir.gr.jp