小野神社(東京都多摩市)の木造随身像は東京文化財ウィークの一環として、毎年11月頃に1日だけ特別公開されている。
ガラス越しではあるが、複雑な表情を間近で目にすることができ、感動する。実は、毎年公開されていることは知っていたのだが、都などの資料にある写真がイマイチで、、、昨年の公開時にやっと初めてお参りした次第。こんなに立派なお像なら、もっと早くにお参りしておくべきだった。何事も”食わず嫌い”はよくない!
木造随身椅像は、小野神社境内の収蔵庫に2躯並んで安置される。どちらも檜材の寄木造り。東京都指定有形文化財。
挿首内や胴部内側に墨書があるそうで、東京都の解説よると、正面左側の随身像(吽像)は、元応元年(1319)、因幡法橋王円(おうえん)が手がけた。総高74.5cm。
正面右側の随身像(阿像)は、左の像が寛永5年(1628)に鎌倉仏師第弐宗慶によって修復された際に制作されたと考えられている。右の阿像は総高52.3cm。
両像とも昭和50年(1975)に修理されている。素人目に見ても、右の像のお顔は新しい感じがするので、この時に手を加えたのだろうか。
それにしても、最近、神像のお顔の表情が気になる。仏像とは違って、沈鬱で、何か悩んでるように見えたりする。この元応元年の吽像も複雑な表情が強く印象に残った。
(最後に、東京都と多摩市の文化財サイトの写真は非常によくないで、撮り直していただけないものだろうか…。鎌倉時代に遡る貴重な随身像をもっとよい写真で多くの人に知っていただきい!)
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【拝観案内】
武蔵国一之宮小野神社
東京都多摩市一の宮1-18-8
聖蹟桜ヶ丘駅からのんびり歩いて10分ほど
onojinja.or.jp
参考
小野神社サイトより随身像の解説
小野神社について|武蔵国一之宮小野神社