「京(みやこ)のファンタジスタ ~若冲と同時代の画家たち」
福田美術館
2021年7月17日(土)~ 2021年10月10日(日)
近年発見された伊藤若冲の「蕪に双鶏図」を観るために嵐山へ。嵐電嵐山駅で下車すると、久しぶりに観光地らしい街並みが目の前に広がる。いつもだと人混みでクラクラしてしまうのだが、こういうご時世のため人手もぐっと減っており、複雑な気持ちになった。
渡月橋の近くでしばらく鷺を眺めたあと、初めて福田美術館へ。とても気に入った。展示されてる若冲がどれもよい! 特に「蕪に双鶏図」に見入ってしまった。枯れ始めたような、なんでもない蕪の葉が、これほど美しいとは! 虫食いの跡さえ美しい。雄の鶏の大胆な動きや、執拗なまでに描き込んだ羽の模様は若冲の真骨頂。若冲30台前半の作と考えられているそうだが、つまりは、この時点ですでに国宝動植綵絵のレベルに達していたということなのか!? 感動と驚きがかけ合わさって、絵の前から離れられなくなってしまった。
今年の正月に放送されたNHKのドラマ「ライジング若冲」では、若冲と禅僧大典が出会うきっかけとしてこの作品が使われた。普段ドラマを観ない私が「ライジング若冲」だけは3回も観てしまった(見逃し配信ありがとう!)。史実と異なるところはもちろんあると思うのだが、若冲や大典和尚、応挙、蕪村がいきいきと描かれていた。あぁこの人たち本当に生きていたのね…と当たり前のことをしみじみと感じたのだった。
このドラマで使われた「蕪に双鶏図」レプリカが、別部屋に展示されていた。このありがたいファンへのサービスのおかげで、双方の展示室を何度も往復することとなった。
さらに、なんとなんと館内すべて撮影可。仏像なくてもお腹がいっぱいになるという、稀有な体験をした。
(仏像ブログなのに、仏像なしの投稿お許しください)
【参考】
〇公式サイト
fukuda-art-museum.jp
〇福田美術館YouTube「辻惟雄先生と新発見の若冲みてみた」
youtu.be
〇NHKドラマ「ライジング若冲」
www.nhk.jp