ぶつぞうな日々 part III

大好きな仏像への思いを綴ります。知れば知るほど分からないことが増え、ますます仏像に魅了されていきます。

【埼玉】熊谷・源宗寺の木彫大仏坐像(地方仏最高と叫びたくなる平戸の大ぼとけさま)

2018年12月8日
埼玉県熊谷市平戸・源宗寺
木彫大仏坐像(平戸の大ぼとけ)=薬師如来坐像観音菩薩坐像
約350センチ
江戸時代
熊谷市指定文化財

 熊谷駅から東北に2キロ余り。小さなお堂の中に、大きな大きな仏さまがおられた。それも薬師如来さまと観音菩薩さまという不思議なラインナップのニ躯。お堂の中にぎゅうぎゅう詰めの感じで座られていた。もしも仏様が立ち上がられたら、天井が壊れてしまう…。
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 今年一年、各地を旅して仏像にお会いしてきたが、最後にこのような独特な仏様にお会いできるとは。写真には収まりきらない迫力。それでいて、ものすごく親しみのわくお姿。地方仏、最高です!!!
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 源宗寺は鴻巣市の勝願寺の末寺で、官の支援を受けずに所有者である藤井家が継承してきた。仏像の胎内にあった秘伝書によって調合した薬が「平戸の妙薬」として有名となり、かつては近隣から参詣者が絶えなかったそうだ。

 しかし、近年では大仏坐像の公開はされておらず、今回のような一般公開は戦後初だという。2019年、老朽化したお堂の修理を予定しており、市民の機運を高めるために公開に踏み切ったそうだ。

 確かに、お堂は床が傾いていて、観音さまも傾いておられた。いつ床が抜けるかわからない。仏像の重量を考えるとかなり心配である。
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(↑観音さまの床下が空いていた)

 浄財支援の詳細はこれから発表されるようだ。微力ではあるが、必ず協力したい。