ぶつぞうな日々 part III

大好きな仏像への思いを綴ります。知れば知るほど分からないことが増え、ますます仏像に魅了されていきます。

円福寺の重文阿弥陀如来坐像と県指定文化財の阿弥陀三尊立像 ~ご本尊がきれいだと思ったら、西村公朝さんが修復されていたのです~(東茨城郡茨城町)

 円福寺東茨城郡茨城町)というお寺はクラブツーリズムさんに教えてもらうまで知らなかった。寺伝では、弘仁3年(812年)創建。天台宗のお寺である。

<本尊阿弥陀三尊立像(県指定文化財)>

 本堂の内陣奥におられるご本尊阿弥陀三尊立像は、1307年造立。かなりの美仏ではないか! 
 中尊が160センチ。観音菩薩が137.2センチ、勢至菩薩が136.4センチ。三尊ともに檜材の一木造で、彫眼。県指定文化財
 この三尊にかなり魅了された。なぜだろう、とても魅力的だ。
 三尺をゆうに超える阿弥陀立像は存在感たっぷり。肘から下にうねうねと流れる衣は宋風か。
 両脇侍にも惹きつけられる。「最近修復したのかな、だとしたら、きれいに修復されてるな…」と思いながら、見入ってしまった。堂外に出ると、ご朱印を書き終えられた住職がこの三尊の説明をしておられた。なんと、修復には西村公朝さんが関わられたとのこと。なんと、なんと! なるほど納得である。
 誰が修復するかによって、その後の印象が大きく変わるのではないか、と最近考える。公朝さん、さすがである。どこの辺りが修復されたのか知りたい。
 この三尊は、もともと近くの浄土真宗寺院で造られ、守られてきた仏様だったが、その寺が廃寺になり、円福寺の所蔵となったのだそう。よくぞ今まで残ってくださった!
 住職の話を聞き終えるなり、再び本堂に戻って、三尊に対面した。やはり美しかった。
f:id:butsuzodiary:20180408212144j:plain
f:id:butsuzodiary:20180408212216j:plain

阿弥陀如来坐像(重要文化財)>

 円福寺には、法界定印を結ぶ阿弥陀如来坐像も。重要文化財に指定され、境内の収蔵庫に安置されている。
f:id:butsuzodiary:20180408212257j:plain
寄木造、漆箔、像高84.3センチ。建保5年(1217)に堂内安置との銘あり。明治まで水戸東照宮別当大照院の本尊だったとのこと。東照宮の建立は家康さんの後なので、それまではどちらにおられたのかが気になる。
f:id:butsuzodiary:20180408212324j:plain

<収蔵庫の十一面観音立像>

 収蔵庫の脇仏は十一面観音立像。住職によると、「京都のほうで買ってきた」。もともと不動明王がまつられていた厨子に、今はこの観音さまが安置されている。厨子のサイズに合わせて観音を購入したとのこと。厨子に価値があるという話だった。しかし、買ってきた割には、観音さま素晴らしくないか!? 
f:id:butsuzodiary:20180408212541j:plain
f:id:butsuzodiary:20180408212617j:plain

【参拝案内】
法叡山高岳円福寺
茨城県東茨城郡茨城町鳥羽田656
拝観は要予約