富津市 東明寺
参拝日=2018年3月3日
東明寺は718年の創建と伝わる。以前は海岸に位置して東足寺と称したが、1742年の大津波の後に現在地に移転したという。内房線上総湊駅から1キロほど。浦賀水道の向こうは三浦半島という地域に立つ、真言宗智山派のお寺である。
<ご本尊薬師さま!>
ご本尊の薬師如来立像は、2013年「仏像半島」展(千葉市立美術館)のメインビジュアルを務めたほどの存在感あるお姿。仏像ファンならこのポスターに見覚えあるはず。
中尊の薬師如来立像は県指定文化財。カヤの一木造りで、像高2.16メートル。
お顔に特徴がある。
正面から拝むと、まるびたお顔に優しい目。幼子のように見える。
しかし、真横から拝むと、一瞬にして理知的でシャープなお顔に変身する。
お体も量感がある。また、間近で見ると、細かい亀裂の線が幾つも入っており、一木造りであることを実感する。一木造りの温かみが伝わる。
(写真は「仏像半島」展の図録より※)
<十二神将!>
十二神将は、薬師さまの裏側の戸棚のようなスペースに、二段に分かれて安置されていた。横須賀の曹源寺の十二神将と並び評される、鎌倉時代後期の作。十二神将さまのようにアクティブであるはずのほとけさまが、ガラスケースのような戸棚にしまわれているのは悲しい。
「仏像半島」展のときのように、薬師様の周りに円陣を組んで、スタンバイさせてあげられないものか。今にも出陣しそうな躍動感ある十二神将なのだから。
(2013年「仏像半島」展の会場写真。公式サイト
より)
<その他の仏像>
・お前立ち薬師如来立像
ご本尊薬師のすぐ横に、破損仏が立つ。ご本尊さまより100年ほど新しい前立像だが、傷みが激しい。像の近くにいき、横からのぞき込むと、お顔とお体の正面が板一枚のように残っているだけだった。背中もなにもない。びっくりした。正面が穏やかな表情なだけに、戦慄が走った。
・お前立ち薬師の後ろの厨子に地蔵尊
秘仏で、今回開扉なし。ただ、「仏像半島」展には出展。
※薬師如来のお顔の写真は、仏像半島展の図録の写真からお顔の部分だけ切り取ったもの。