ぶつぞうな日々 part III

大好きな仏像への思いを綴ります。知れば知るほど分からないことが増え、ますます仏像に魅了されていきます。

【来迎会】これまでお参りした二十五菩薩練供養リスト

 

1) 阿弥陀仏と二十五菩薩の「練供養」「来迎会」とは

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(↑岡山県久米南町・誕生寺)

 阿弥陀さまが二十五菩薩を従えてお迎えに来てくださるー。聖衆来迎の様子を現世の私たちの目の前に出現させようとするのが二十五菩薩の練供養です。人々が菩薩の面を被り、きらびやかな菩薩の装束を着て、練り歩きます。「迎え講」「来迎会(らいごうえ)」などとも呼ばれます。正式名称はお寺によって様々です。

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(↑岡山県瀬戸内市牛窓弘法寺

 

2) 日本三大練供養

 誰が言い出したのか知りませんが、奈良の當麻寺、岡山の誕生寺と弘法寺で毎年行われているものが、日本三大練供養と呼ばれています。それぞれ歴史も運営体制も異なりますが、日本三大という呼び名も納得の素晴らしさです。最初に練供養を観に行きたい人には特にお勧めします。

 當麻寺の開催日はこれまで毎年5月14日でしたが、温暖化の影響もあり、2019年から4月14日の開催に変更されます。観音勢至菩薩の迫力ある歩みと中将姫さまのお迎えシーンが感動的です。護念院の住職がうたわれる極楽和讃が泣けます。

 牛窓弘法寺は毎年5月5日。こちらは木造の阿弥陀如来像の中に、地元の男性が入って、菩薩様を迎えてくれます。体内をくりぬき、着ぐるみのように中に人が入れる木彫像(「迎講阿弥陀如来」「被仏」と呼ばれている)が実際に使われているのは日本でここだけです。菩薩さまは二十五菩薩ではなく、六観音と呼ばれています。観音さまが両手を静かにこすって、中将姫さまを迎え入れるシーンは感動的です。

 岡山県の美作誕生寺は毎年4月の第3日曜日に開催されています。浄土宗の開祖、法然上人がお生まれになった場所に建てられたお寺です。練供養では、法然さまのお父様とお母様の像が毎年交代で運ばれます。中将姫さまは登場しません。練供養の列は境内を飛び出し、参道沿いの地蔵堂との間を往復します。

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(↑奈良県葛城市・當麻寺

 

3) 実は多種多様な練供養が存在します

 一方、それ以外の練供養もそれぞれ味があります。これまで感動しないものに出会ったことがありません。町のお祭り的な感じの練供養もあります。二十五菩薩が全員揃わないお寺もあります。雅楽の演奏もなくひたすら念仏を唱えながら歩くところもあります。太鼓のリズムが終始流れる練供養もあります。菩薩さまがエレガントで、ファッションショーかと見紛うものもあります。菩薩役を務めるのが小学生のみという練供養もあります。幼少のときから聡明で優しかった中将姫の徳にあやかろうという意図で、子どもが菩薩になるのだそうです。

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(↑兵庫県加古川市・教信寺)

 

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(↑和歌山県有田市・得生寺)

 

4) 夢中になってしまうんです

 私が阿弥陀来迎の練供養というものの存在を知ったのが、確か21世紀を迎えた前後。初めてお参りした奈良の當麻寺で、菩薩さまが練り歩く写真を見て心が震えました。最初に思ったのは、「これは大好きな仏像が動いちゃうやつだ~。どうしましょ~」でした。いつか実際に見に行かなければと思いました。

 仕事や子育てでバタバタしている間に月日は流れ、実際に練供養を見に行くようになったのは2011年以降です。

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(↑大阪市・大念仏寺)

 ほんの数年の間に阿弥陀来迎の練供養に完全にノックアウトされました。

 行けば行くほど深みにはまります。

 おごそかな菩薩面を被り、きらびやかな装束を身にまとった菩薩さま。思わず手を合わせてしまいます。ですが、近くで良く見ると、合掌した手の先が緊張で震えていたり、光背が安全ピンで留められていたりします。その「聖と俗の狭間」が垣間見られるのも、たまらない魅力なのであります。

 

5) 私がお参りした来迎会リスト

 そんなこんなで、今年はなんと6か寺もの練供養を観に行ってしまいました。

 練供養は大半が4月と5月に実施され、僅かですが秋に挙行されるものもあります。今年の秋の練供養シーズンも終了しましたので、これまでに出かけた練供養をリストアップしてみました。ブログにまとめたものはリンクを貼っています。

 本当はもっとうまくまとめて、阿弥陀来迎の練供養の素晴らしさを伝えたいです。追々修正したり、新たな記事をアップしていければと思います。

 
2011年
8月16日 東京都世田谷区・九品仏浄真寺

2012年
5月14日 奈良県當麻寺

2013年

(5月23日 奈良国立博物館當麻寺」展)
(11月23日 岡山県立美術館「極楽へのいざない」展)

2014年
8月16日 東京都世田谷区・九品仏浄真寺

2015年

4月5日 兵庫県加古川市・教信寺(50年に一度、教信上人のお首の像が観音菩薩によって運ばれる)
5月3日 奈良県久米寺
5月4日 大阪市・大念仏寺
5月5日 岡山県瀬戸内市牛窓弘法寺

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2016年
4月17日 岡山県久米南町・誕生寺

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10月16日 京都市・即成院

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2017年
3月19日 長野県小諸市十念寺小諸市主催・第6回郷土伝統芸能のつどい)

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4月16日 岡山県久米南町・誕生寺
5月3日 兵庫県加古川市・西方寺(浄土宗西山禅林寺派

 

5月4日 大阪府大阪市・大念仏寺 万部おねり

10月8日 福島県喜多方市・願成寺

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2018年
4月29日 奈良県當麻寺練初め
4月30日 大阪府八尾・常光寺

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5月12日 兵庫県神戸市・太山寺
5月14日 和歌山県有田市・得生寺

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9月2日  愛知県愛西市・勝軍延命地蔵菩薩堂
10月28日 奈良県宇陀市大宇陀 慶恩寺

 

6) 練供養で最も大切なこと「信じるから強くなれる!」

 最後に大事なことを書きます。

 臨終のとき、阿弥陀さまが雲に乗ってお迎えに来てくださるーー。そう信じるための手段が練供養です。そして、そう信じることで、日々を強く生きていけるのだと思います。