ぶつぞうな日々 part III

大好きな仏像への思いを綴ります。知れば知るほど分からないことが増え、ますます仏像に魅了されていきます。

仏像リンクDeep大阪1日目速報

仏像リンクさんのdeep大阪ツアーに参加中。以下、一日目の速報。間違いあるかもしれませんが、スピード重視でお届けします。後ほど追記と訂正すると思います。

1) 朝日山神蔵寺(京都府亀岡市臨済宗妙心寺派

ご本尊薬師如来坐像(重文)
日光菩薩月光菩薩立像(市指定文化財

比叡山の真西、朝日山の麓にある。790 年、最澄創建。比叡山から見て朝日が昇る場所に最澄薬師如来をまつった。
1575年、織田信長の命により、明智光秀の兵火で寺内のほとんどが延焼。本尊薬師如来坐像は布にくるんで逃げ、生き延びた。脇侍の日光月光菩薩立像は、やはり同じ戦火の被害を受けた別の寺から譲り受けた。
定朝様の薬師如来坐像は貫禄があり、優美。脇侍は髻が高く、鎌倉か。
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豊かな自然に囲まれ、大変美しいお寺。お池の名前は大正池。水面のグリーンに息をのむ。

2) 涌泉寺(大阪府豊能郡能勢町
日蓮宗

大威徳明王坐像
102.7センチ。一木割はぎ。平安12世紀頃。六面六臂六足の憤怒形。能勢町指定文化財
(平安後期とされてきたが、平成13年から14 年の京都美術院国宝修理所の修復時に、平安初期9世紀の作かもと言われた)
多宝如来坐像
94.8センチ檜寄木造り。彫眼。平安後期12世紀。大阪府重文。仏師「経深」の銘あり。
釈迦如来坐像
86センチ。檜寄木造り。彫眼。平安後期から鎌倉初期。

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もと真言宗のお寺で、大威徳明王坐像、阿弥陀如来坐像および薬師如来坐像という密教系の三尊だった。
日蓮宗に改宗する際に、阿弥陀如来多宝如来に、薬師を釈迦如来に作り変えたのだとか。ご住職のお話がユニークかつ優しくて、「如来さんのお姿はどれもよく似ているから、手の形を変えるだけで簡単に変更できた。でも、大威徳明王はお姿が独特すぎて、変えようがなかった」とのこと。

3) 安穏寺(大阪府豊能郡能勢町

東向き十一面観音菩薩立像
106.7メートル。四臂の十一面観音菩薩立像。檜、寄木造り。彫眼。12世紀。大阪府重要文化財。恵心僧都源信の作と伝わる。

応和二年(962)に建立された観音堂が安穏寺の開創と伝わる。四臂(腕が4本)の十一面観音立像は、わが国に7例しか残っていない貴重な遺品。平安時代1躯、鎌倉時代4躯、南北朝1躯。

1314年に「村内安穏」のため修理したとの記録あり。火除けの観音さまと伝わる。
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4) 慶瑞寺(大阪府高槻市黄檗宗
木造菩薩坐像
昭和61年に本堂から見つかる。8~9世紀頃または平安初期の作。重要文化財
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5) 高槻市山手町の薬師堂(大泉寺の境内)

薬師如来坐像
86.0センチ。平安後期。高槻市文化財
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6) 安岡寺(大阪府高槻市
木造千手観音坐像
10世紀後半とみられる。重文。もと真上にあった安正寺の本尊と伝えられ、安岡寺の客仏。
兵庫県普門寺、香川県屋島寺と並び評される、迫力と重量感あるお姿。
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