ぶつぞうな日々 part III

大好きな仏像への思いを綴ります。知れば知るほど分からないことが増え、ますます仏像に魅了されていきます。

平安

【滋賀】瓦屋禅寺ご本尊千手観音菩薩立像を拝む

瓦屋禅寺(臨済宗妙心寺派/東近江市) 50年ぶりご本尊千手観音立像のご開帳今年最も楽しみにしていた瓦屋禅寺のご開帳に伺った。瓦屋寺は聖徳太子が創建に関わる古刹。物部氏に勝利した聖徳太子が四天王寺を建立する際、この地の土で瓦を焼き、摂津まで運ばせ…

【展覧会】京都・南山城展の小さいお像に注目〜和束町薬師寺の薬師如来坐像〜

萬年山勝林寺(東京都豊島区)のご本尊釈迦如来さまが好きすぎて、最初に調査された清水真澄先生の論文(『豊島区仏像彫刻調査報告書 豊島区の仏像』(2000年)掲載)を時々読み返す。この論文のなかで、この像と同様に足を衣ですっぽり包む一例として、京都…

【兵庫】薬仙寺の観音様ご開帳に伺ったら、薬師如来が平安! しかも、法然上人のご霊跡で、近くの元祖教会に石碑が!

1) 薬仙寺(兵庫県神戸市) 薬師如来坐像 十一面観音菩薩立像 2) 元祖教会(兵庫県神戸市) 【参考資料】 1) 薬仙寺(兵庫県神戸市) 浄土門時宗の薬仙寺で毎年8月8日と9日に十一面観音像がご開帳されると伺い、お参りした。四万六千日と呼ばれる観音様のお…

【滋賀】宗泉寺(野洲市)薬師如来坐像など8月8日に公開

近江富士と呼ばれる三上山の隣、妙光寺山。その一帯に、古代から中世にかけて、大伽藍を擁する東光寺があった。比叡山との争い(1460)、そして、戦国時代の兵火(1524)を経て廃絶となったが、その仏像が今も、宗泉寺に残る。平安と鎌倉に遡る貴重な尊像で…

【滋賀】元龍寺(甲賀市)〜在所の皆様のたいせつな観音さま〜

Nothing is permanent. But life is going on with Kannon-sama.

【京都府】永明寺(福知山市)の丸山仏と諸像に魅了される!

永明寺(京都府福知山市)で、旧大谷寺西方院の諸像に魅了される。十一面観音菩薩立像の不思議な魅力はなんなのだろう。地蔵菩薩立像は威徳寺観音堂の尊像に類例がある、歴史的に貴重なもの。

【東京】早稲田で谷崎潤一郎・志賀直哉・富岡重憲旧蔵の平安仏を拝む

奈良の古仏が大好きなので、會津八一先生を尊敬しているのだが、早稲田大学にある會津八一記念博物館には行ったことがなかった。その八一博物館で今、千葉の下総龍角寺の白鳳仏薬師如来坐像が拝めると聞き、初めて行ってみたら、その横の菩薩立像が素晴らし…

【東京】谷中の毘沙門天

谷中の毘沙門天 天王寺(東京都台東区) 山手線の日暮里駅のすぐそばに、平安後期の見事な毘沙門天像がおられる。谷中七福神の一つで、元旦から1/10までの七福神巡礼期間に開扉され、間近でお姿を拝むことができる。 元禄12年(1699)に天台宗に改宗する際、…

【京都】智福院で秘仏五劫思惟阿弥陀仏の初公開〜月の光と五劫〜

智福院(京都市)五劫思惟阿弥陀仏の初公開 公開期間=2021.11.6-12.5 永観堂の入り口にある智福院で、五劫思惟阿弥陀如来坐像が初公開。この絵のように、お腹の前で両手を隠しており、奈良の五劫院の本尊様を小さくしたような感じだった。間近で見上げると…

妄想拝観ツアー〜春の夜の十一面観音立像編〜

床に突っ伏して妄想拝観 妄想旅を振り返って 床に突っ伏して妄想拝観 3月半ばのある夜。洗濯物を干さないといけないのに、疲れて床(ゆか)に倒れたまま、立ち上がれなくなってしまった。なんだかつらい。そういえば、去年の春のお彼岸は三連休だったのに、…

【多摩仏】深大寺の毘沙門天立像と元三大師坐像

拝観日=2019年1月19日 お寺=深大寺(東京都調布市) 仏像=毘沙門天立像(平安、市指定文化財) その他=元三大師坐像のポスター 平安の毘沙門天立像 元三大師坐像 平安の毘沙門天立像 調布の深大寺で、1月に公開される毘沙門天立像にお会いしてきました。…

【神奈川】大磯町・王福寺の薬師如来坐像~平安のカヤの一木造り~

2019年1月3日、神奈川県大磯町の六所神社(神像の公開)から再びバスで移動し、近くの王福寺で平安中期の薬師如来坐像にお会いした。 王福寺とは 薬師如来坐像 襟立如来さまと呼んでよいものでしょうか? 【拝観案内】 王福寺とは 神奈川県大磯町の山寄りに…

【神奈川】相模国総社六所神社(大磯町)の神像を拝む

1月3日にのみ公開される神像を拝むため、神奈川県大磯町にある相模国総社、六所神社に出かけてきました。 女神像が70センチ弱、男神像が75センチほど。一木造りで、背中から大きく内ぐりあり。11世紀末~12世紀前半。 1) 今回は無駄に前書きが長い。箱根駅伝…

【2019年お正月のご開帳仏まとめ元旦編】東京と神奈川で平安仏を拝む~日野市の毘沙門天、世田谷の十一面観音、そして川崎の薬師三尊~

新年明けましておめでとうございます。 2019年のお正月三が日に6か寺と1社をお参りしました。お正月は古い仏像が特別公開される絶好の機会。普段電車で素通りする地域で、普段は非公開の平安仏にお会いできたりします。ここ数年、お正月のたびにお会いしにい…

【静岡】河津町・善光庵の十一面観音立像

2018年11月23日 善光庵 (河津町) 十一面観音立像(158センチ 針葉樹 一木造り 10世紀 県指定文化財 善光庵・十一面観音立像 南禅寺から流出したのか 伊豆半島の南部、静岡県河津町。河津川の河口から川沿いに2キロ余りの丘陵の中に、善光庵という小さなお…

静岡市井川の中野観音堂~山里の観音さまたち~

(2015年9月に井川の中野観音堂を参拝したときの記録です) 静岡の山里にある小さなお堂で、こんなにも無垢な観音さまたちにお会いした。白洲正子が観音さまをたたえる言葉に「うぶ」という言葉がある。厨子が開かれた瞬間、その言葉が思い浮かんだ。夢中で…

雲南市・禅定寺の阿弥陀如来坐像~優しい番長さんw~

雲南市・禅定寺の阿弥陀如来坐像 襟立ちの如来さま 禅定寺の縁起とご本尊の聖観音立像 古代出雲歴史博物館の「島根の仏像」展。前回の記事で書いた安来の清水寺の十一面観音立像で腰が抜けるほど仰天した私ですが、その先にさらに、素晴らしい仏像の数々が並…